東京都千代田区の神保町・お茶の水エリアにサブスク制度を導入した映画館が誕生する。
12月19日に開業する映画館「シネマリス」では新作上映に加え、旧作、準新作映画を定額見放題のサブスク制で上映する。支配人として同館を立ち上げたのはこれまで映画やエンタメとは全く関係が無い仕事をしていた稲田良子さん。コロナ禍を機に人生の舵を切り、趣味で通っていた映画館の経営へのチャレンジを決意。続々と支持者が集まり、クラウドファウンディングは290%を達成。開業前にもかかわらず、すでに会員数は500人に迫る。稲田さんにどんな映画館を目指しているのか話を聞いた。
――サブスク制導入の理由は?
稲田:最近はSNSのおすすめ等、自分が見たいものしか目に入らなくなる傾向がありますよね。サブスク会員になることで「とりあえず行けば良い映画が観られる」と思っていただければ、自分で選ばなくても素晴らしい映画に出会える機会になると考えました。そこから自分とは違うマイノリティへの理解や、様々な価値観を知ることにも繋がると思っています。
――サブスク制のシステムについて教えてください。
稲田:年額22,000円または月額2,500円で「サブスク会員」になると、月に4作品、年間約50作品の旧作、準新作が見放題になります。オンラインで座席予約もでき、好きな作品は何度観ても大丈夫。対象外のロードショー作品なども割引価格で観られます。会員にならない場合はサブスク対象作品を1,500円で観賞できますよ!
――どんな作品を選ぶ予定ですか?
稲田:支配人、副支配人、X担当のほかチームメンバーで協議して選びます。多様性、マイノリティの視点を意識しつつ、ジャンルや国・地域に関係なく良い作品を選んで、「こんな良い映画があったのか!」と、映画の素晴らしさを発見したり、多様な視点・世界に気付いてもらえるようなラインナップにしたいと考えています。
私自身はアジア映画が好きで、開業時にはレスリー・チャン特集を予定しています。
――多くの映画館が閉館していますが、いま開館する映画館として担うべき役割とは?
稲田:映画を観ていただくだけでなく、価値観のアップデートや、多くの人の居場所、逃げ場所の役割も果たせるような場所にしていきたいです。
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映画館「シネマリス」は12月19日(金)開業予定。自宅での映画鑑賞とは全く違う、映画館でのサブスク映画体験、是非味わってみてはいかがだろうか。
シネマリス
東京都千代田区神田小川町3丁目14-3 イルサ地下1F
X:https://x.com/CineMalice2024