映画「ターミネーター」(1985年)で知られるリンダ・ハミルトン(69)は、Netflixのドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」の出演オファーを受ける前に引退を考えていたという。股関節の問題でキャリアに終止符を打つつもりだったというリンダ。監督のダファー兄弟から最終シーズンでケイ博士役に起用したいと言われた際のことを振り返った。
「エンターテイメント・ウィークリー」誌にリンダは「滅多にないことよ。彼らが私のエージェントに連絡してきたの」とオファーが来た時のことを振り返った。「当時は股関節のせいで引退を真剣に考えていた。足を引きずっていて。足を引きずる役じゃなければって感じで、『ベストを尽くすことも、毎日仕事ができる状態かも保証できない。引退しなくてはいけない』って話してた」と当時の状況も説明。「そしたら3カ月後に『ストレンジャー・シングス』から電話がかかってきてね。引退についてそれ以上の話はなく、宙ぶらりんだった」と明かした。「『リンダ・ハミルトンは6月から次の6月まで空いているか?』って聞かれて、彼(エージェント)は『イエス!』って。こっちは皆興奮していて、彼は私に確認することもせず答えていた」と本人のコンディション“無視”で話が進んだという。
同ドラマのために自分を動ける状態にするため懸命な努力をしたというリンダは「1年間を通して、彼らが私を必要とする時期、身体的にどのような要求があるかを予測しつつ、その先を見越して準備をしてきた。 PTと呼ばれるけど、実際には動ける準備万端な状態にするため、週3回ジムに通っていたわ」と明かした。「どうしても必要なことだった。年を取ったってわけ。あれが最後のスタントリハーサルだったかも。これで終わりかなと思う」と振り返った。
「実際に『もう終わり』と言いつつどうなるか見ものだわ」と自身に対する期待もチラリ。「でも本当に一生懸命、体調を整え万端にし、能力を維持するための努力をした。そして今、それをやり遂げたことに安堵の気持ちでいっぱい。しかもあのキャラクターは足を引きずらなかった!」と胸を張った。
そんなリンダは現在、これまで以上に精力的に活動しており、今年初めにSFアクション映画「オシリス」が全米公開、更に「トラスト・ミー、アイム・ア・ドクター」も控えている。
多忙で疲労はあるもののこれまで以上に自分のキャリアを愛しているとしてリンダは「こんな連続して仕事をしたことはほとんどなかった。引退を考え始めてからこんなに働くなんて。今は常に仕事中」とうれしい悲鳴。「アシスタントもマネージャーも広報担当者もいない。本当に自分のやり方で生きている」「自分で全部やるの。そしたら大抵はボロボロに見えるものよ。全部自分でこなすんだから本当に疲れるし」と大変だが充実していると明かした。
さらに「面白い世界よ。今まで以上に働いているのに、全く助けがないんだから。近くには自分の子供たちが住んでいるし、犬たちの世話をしてくれる友人も来てくれる。私はただ好きなことをしに行くだけ」とシンプルな仕事生活であることも告白。「実は今が一番演技が好きな時ね。若い女優でシングルマザーでキャリアウーマンだと、仕事をする時間も子供と過ごす時間も作るのが難しい。だから今は贅沢に一日中台本と向き合い、熱くなれる。本当にじっくり台詞を覚え、台本なしで完璧な状態で現場に入れるの」と語った。