ネットで"怖い魚"としてバズっているゴマモンガラ。
最大60センチほどになる大きさと、大きな歯と顎、名前の由来にもなっているインパクトある文様が特徴で、非常に凶暴だと注意喚起するニュースが報じられた。海で突然出会うと驚くだろうが、実際本当に危険な魚なのだろうか?長年ゴマモンガラを飼育する、沖縄県八重山郡の黒島研究所の研究員に話を聞いてみた。
――いつから飼育されているんですか?
研究員:当館では10年以上飼育しています。鹿児島、沖縄、八重山あたりでは珍しくない魚なんですよ。ネットでバズったのが不思議なくらい普通に見られます。
――特徴的な生態について
研究員:浜辺で、オレンジ色のしっぽを出してるんです。顎が強いので浅瀬で石をずらして、下にいる蟹などを食べてるんだと思います。
卵を守っている母親の魚は強く、卵が危険にさらされるようなことがあると噛みつく時も。怖い魚と報道されていますが、勇敢な魚というイメージです。
――食べられる魚ですか?
研究員:食用にもなります。種類は白身なのですが、赤身のような味で、まぐろに似ているという人も。市場に出回ることはあまり無く、漁や釣りでかかったら食べる、という感じです。
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SNSでは「話の通じなさそうな顔」「海で会ったら絶望する」「こんな得体のしれない生き物がいるから海が苦手」「カワハギの仲間はみんな噛んでくる」などの反響が寄せられた。
沖縄では「ジキラン」と呼ばれ、顎の力が強くルアーが噛み砕かれるので、釣り人からは敬遠されているそう。魚を守る母親は凶暴なので、海の中で向かって来られた時には、急浮上せず横方向に逃げるのが大事とのこと。群れずテリトリーを大切に暮らすゴマモンガラ。人間は静かに見守ることが重要だ。