かまぼこで作られた「うな蒲ちゃん」が、うなぎより美味しいと話題だ。
製造販売するのは、カニカマを発明したことで知られる、株式会社スギヨ。すでにかまぼこで蟹のそっくりさんの開発に成功した実績がある企業の次の標的は、価格高騰が続くうなぎだった。株式会社スギヨの企画担当者に話を聞いた。
――開発のきっかけは?
担当者:当社が発明したカニカマが全国に普及し、次の目玉商品の開発に悩んでいました。日本人の好きなうなぎが絶滅危惧種に選定されるかもしれないと知り、2010年から開発に取りかかりました。
――一番こだわった部分は?
担当者:普通のうなぎではなく、美味しいうなぎを再現すること。身は関東風の蒸したうなぎのフワッとした食感で、小骨まで崩れるザラつきのある食感まで再現することや、さらに関東風では得られない関西風のこってりした脂のトロッと食感は、こんにゃくゼリーで再現し、健康志向の現代に合うものにしました。皮も独特の食感を再現するために、身とは別のかまぼこで作りました。
――大変だったポイントは?
担当者:うなぎの身の独特の食感を出すための配合を導き出すのに苦労しました。皮肉と身肉がなかなか結着せず、剥がれてしまうので、しっかり結着させる方法を見つけるのも大変でした。
――販売開始から消費者の反応は?
担当者:反応も売上も芳しくありませんでした。その後改良を10回以上繰り返して、2015年には関西風関東風のいいとこ取りでリニューアル。2016年には全国のスーパーに販路拡大。毎年リニューアルを繰り返し、今の「うな蒲ちゃん」に到達しました。評判も格段と良くなり、新しい目玉商品になれそうです!
――うなぎの漁獲量減少や価格高騰で鰻を楽しむのが難しくなってきました。
担当者:地場でとれる美味しいうなぎは、各地の食文化に根付いています。うなぎが高騰化して食事に取り入れづらくなった時は「うな蒲ちゃん」を活用し、各地の伝統料理や家庭料理が後世に受け継がれ、日本、世界の豊かな食文化を守れるように貢献したいです。
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「山椒かけると更に高級なうなぎになる。」「小骨が無いから子どもやお年寄りに良さそう」「胃もたれしないから本物より好きかも」「本物より美味しいから感動した」などの反響が続いている。手軽に楽しめるうなぎで、まだまだ続く暑さも乗り切りたい。
株式会社スギヨ関連情報
X:https://x.com/sugiyo_chikuwa
HP:https://www.sugiyo.co.jp/special/vitachiku_70th/