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地域の生活にアートを!街中の壁に描かれる「ミューラル」が話題…大手企業も参加

米田ゆきほ 米田ゆきほ

街中の壁に描かれるアート「ミューラル」に注目が集まっている。

都心部では壁にスプレーなどで描かれるアートも見られるが、ほとんどが許可を得ず描かれる「グラフィティ」と呼ばれるもの。今回話題にするミューラルとは、企業や行政と連携を取り、アーティストが大規模かつ緻密なデザインで制作する作品を指す。

USJのお膝元である大阪市此花区では、プロジェクト「FUJIFILM instax™ presents MURAL TOWN KONOHANA」が展開中でこれまでに17カ国のアーテイストが参加し、26作品のミューラルが誕生。日本有数のミューラルエリアとなった。企画制作を行うWALL SHARE株式会社代表、川添孝信さんに話を聞いた。

――ミューラルの意義とは?

川添:誰にとっても身近なアートであることです。ミューラルは町の壁をキャンバスにして描くので、良くも悪くも人々の目の前に強制的に現れ、例えば美術館に行く習慣の無い人でも日常生活でアートに触れることになります。子どもから大人まで、誰もが等しく出会えるアートの形です。作品は壁に描くので、土地の特性や周囲の景観も踏まえて制作され、地域の風景や文化と結びついたアートが生まれるのもミューラルの特徴です。

――作品公開後の、印象的な住民の反応や交流エピソードはありますか?

川添:作品の制作に反対していた住民の方がいたのですが、完成後クオリティや建物の変化を見て考えが変わり、今では応援していただいてます。また、此花区では居酒屋で出会った人同士が「あの作品は好きやけど、あっちはあんまり」とコミュニケーションのきっかけになることも。アートは好みや批評があって当然。ミューラルがきっかけで、アートについて語る人が増えていることを感じます。

―― 制作時に大切にしていることは何ですか?

川添:まず、クライアントの想いや目的を理解すること。そして、町の景色を変えるという責任感を持つこと。そのうえで「アーティストファースト」を意識しています。WALL SHAREはカルチャーとビジネスの両方を大切にし、クライアント・アーティスト・地域が同じ方向を向ける企画を目指しています。

――今後の目標と、社会や子どもたちへの影響について。

川添:身体が動く限りミューラルを増やし続けることです。すぐに日本のアート観が変わるとは思っていませんが、町の中のミューラルを通して子どもたちがアートに触れる機会を増やし、その中から「アートっていいな」と思う人が増える未来を目指しています。今の子どもたちが大人になる頃、日本のアートとの距離が少しでも近づいていることを願っています。

◇    ◇

SNSでは「思わず足をとめてしまう。」「此花区は1時間の散歩で色んな作品が見られて楽しい」「スプレーで落書きする人もいるが、壁に描きたいならミューラルをやってほしい」などの意見が見られた。今後ミューラルは日本でどのように浸透するのか。動向を追いたい。

川添孝信 X
https://x.com/tk_wallshare

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