バウムクーヘンといえば、中心に穴があり年輪のように何層も重なったお菓子。ドイツ語でBaumkuchen=バウム(樹木)クーヘン(ケーキ)で、ドイツ発祥ではあるが現在ではあまり食べられておらず、日本で発展したお菓子。来日して初めて食べたというドイツ人も多いという。
そんなバウムクーヘンが、とうとうドイツに逆輸入された。3月4日の「バウムクーヘンの日」にドイツ大使館が「あいかわらずドイツ人の多くが日本に来て初めて口にするというドイツ発祥のはずのバウムクーヘンですが、とうとう大使館のディスプレーに…」とXに投稿。ドイツの名物料理やお菓子が飾られたショーケースに一緒に並べられたことを報告。2万を超える「いいね」となった。
シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ(ココアとサクランボのケーキ)、プレッツェル、ザワークラウト、ソーセージ、フィッシュブローチェン(魚のサンドウィッチ)などドイツ料理やお菓子の食品サンプルと共に飾られたショーケース。バウムクーヘン好きからも「ドイツで認知されないのが悲しかったけど、とうとうドイツ大使館に認められて良かった」と喜びの声を上げていた。
設置場所は、東京・広尾のドイツ大使館の館内。「余談ですが設置して以来、来館者にレストランと間違えられることもあり、少し困っています」とお茶目につづっていた。
バウムクーヘンは「第1次世界大戦で俘虜となったドイツ人お菓子職人カール・ユーハイムさんが日本初のバウムクーヘンを広島の似島で作り、広島の物産陳列館(現・原爆ドーム)に出展」(ドイツ総領事館)され、日本で発展した。ドイツでは祝い事の時に出る縁起物的なお菓子で、大使館では「少し時代遅れというイメージもあるようです」と、一般的なお菓子ではないことを説明している。
だがドイツ大使館の職員のほとんどが、日本のバウムクーヘンに魅せられたこともつづっている。それだけに「ドイツの方はバームクーヘンをどうやって食べるんだろう、やっぱ周りから剥がす?」という質問に、「人それぞれだと思いますが、気になりましたので機会があれば館内でアンケートを取ってみようと思います。結果は来年の3月4日に」と1年越しでアンケート発表を行うことを明かした。