明治のスナック菓子「カール」といえば「それにつけてもおやつはカール」のCMソングでおなじみ。誰もが知る名コピーであることは間違いないが…「それにつけてもおやつはカール」ってどういう意味?なんとなく分かっていそうで、正確に分かりきってはいない―。かくいう記者もそのひとり。誕生から50年余り、今更だが明治に聞いた。
同社に意味を聞く前に、まずは「それにつけても」の意味を調べてみる。辞書には「そのことに関連して何かが話題にのぼることを表す」とある。要するに「前段の内容に関連して~」という意味合いの言葉のようだ。
「―おやつはカール」以前の最も代表的な用例は、「―金の欲しさよ」という言葉遊び。下の句に「それにつけても金の欲しさよ」を付けることで、どんな上の句であってもそれらしく聞こえ、また上の句がどんなに趣があっても狂歌になるというものだ。
話をカールに戻す。明治の広報担当者はよろず~ニュースの取材に「どんな話を受けても最後は『カール』に落とし込める、とても便利な言葉だからです」と込めた意味を明かす。
カールは1968年に誕生。当時の日本はスナック菓子という概念がなく、すぐに浸透とはならなかった。「それにつけてもおやつはカール」は1970年ごろに発案された。生みの親はCMディレクターの高杉治朗氏だ。
同担当者は「1969年に首都圏と東海地区で再発売し、その後『それにつけてもおやつはカール』のテーマソング付きのCMも流したところ、大ヒットしました」と説明。時には品切れも起こるなど、その後の全国発売につながったという。
前段でどんな話をしていても、最終的には「おやつはカール」に帰結する。「それにつけてもおやつはカール」とは、そんな反則級に使い勝手のいい言葉だった。