ヒートショックを防ごう!脱衣所、お風呂は先に温めて「ドカベン入浴法」は長すぎないよう注意 医師が解説

谷光 利昭 谷光 利昭
画像はイメージです(ケイーゴ・K/stock.adobe.com)
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 急激な寒さの到来に伴い、様々なリスクが増えてきます。特に、高血圧、糖尿病、脂質異常症、狭心症などの血管病変をお持ちの高齢者の方は気を付けないといけない季節です。

 日常生活で気を付けないといけないのが「お風呂」です。寒いところで衣服を脱ぎ、さらに寒いお風呂に入ると今まで広がっていた血管が急に収縮し、心臓の脈拍も速くなります。その事により、血圧が急激に上昇し、脈拍も速くなるので弱った血管にはかなりの負荷がかかります。

 これらのことが、軟らかくて弾力のある正常の血管に起こるのであればまったく問題ないのですが、上記の疾患に罹患している人たちの血管は、硬くて脆いのです。脆くなった血管に過剰な圧がかかることにより、動脈の内側に亀裂が入り、脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、動脈解離、不整脈などが起こります。そこで、運が悪ければ突然死に発展します。

 予防策としては、脱衣所、お風呂を予め温めることです。今は、小型の暖房器具でも性能がいいものがたくさんあります。お風呂に入る前に、暖かくしておくことで血圧、脈拍の変動が少なくなり、上記疾患の発症のリスクを大幅に軽減することができます。

 お風呂の温度も重要です。熱すぎるのはよくありません。漫画ドカベンの山田太郎の入浴法などがネット上などで話題になっていますが、足だけ浸かって立ったまま2、3分というのは長すぎると思います。いきなり身体全体をお湯に浸かるのではなく、個人のタイミングでゆっくりと温もっていくのがいいと思います。

 危険なのはお風呂だけではありません。冬のトイレも非常に危険です。一戸建ての場合、トイレは寒いことが多く、さらに冷たい便器に座ることで、お風呂と同様のことが起きます。便秘などで、長時間力んで排便をすると急激に血圧が上昇し、さきほどよりも強く血管に負担がかかることがあるのです。対策は、お風呂と同様ですが、冬は水分不足から便秘になりがちなので、便秘対策にも注意が必要です。

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