ノーベル文学賞を受賞しているボブ・ディラン(83)が、映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』で、自身を演じている『DUNE/デューン 砂の惑星』のティモシー・シャラメ(28)を称賛した。新作で若い頃のボブを演じるティモシーは、本人からお墨付きをもらった。
ボブはXに「ティミー(ティモシー)は素晴らしい俳優だから僕の役を完璧に演じてくれているだろう。若い頃の僕、どんな僕でもいい」と綴った。
さらに原作である2015年出版のイライジャ・ウォルド著『ディラン・ゴーズ・エレクトリック!』を読んで映画と比較してみて欲しいとして、「(あの本は)ニューポートでの大失敗(ファンからのロック化に対する非難)に至る60年代初期の出来事を素晴らしく再現している。映画を見たら本を読んで欲しいね」とボブは続けた。
ちなみにボブは同新作にとても協力的だったそうで、ジェームズ・マンゴールド監督は、何度も直接会って脚本に関するメモをもらったことを明かしていた。
一方、新作でフォーク歌手のピート・シーガーを演じているエドワード・ノートンは、撮影現場でのティモシーがボブ役に没頭していたことをローリング・ストーン誌に明かしていた。「彼は容赦なかったね。訪問者、友人、担当者、全員ダメ。『これを撮影している間、僕らの周りには誰も来させない』って」「僕らは象徴的で神聖な何かに対して最善を尽くそうとする。『ここに観客を迎えることは不可能』という意見に僕も完全に同意だ」。
この注目作は、ボブがニューポート・フォーク・フェスティバルでエレキギターをかき鳴らしフォーク音楽業界を震撼させるまでの物語。マンゴールド監督は「ボブの伝記映画」ではないと注釈し、「16ドルをポケットに忍ばせた16歳の少年(ボブ)が神経病で入院中の(憧れのミュージシャン)ウディ・ガスリーに会うためにヒッチハイクでニューヨークへ向かうある種の群像劇」と説明していた。