日本一の漫才師を決める「M-1グランプリ2024」の準決勝が5日、東京・ニューピアホールで行われ、昨年王者の令和ロマンが決勝進出を果たした。20回目を迎える同大会で、2年連続の準決勝突破は初の快挙。史上初の連覇、2度目の栄冠への挑戦権をゲットした。会見ではヒール役上等の発言で場を盛り上げ、対抗心を隠さなかった昨年準優勝のヤーレンズとのライバル関係を鮮明として、22日の決勝への機運を盛り上げた。
髙比良くるま(30)は「通過点。それだけですね」と不敵な発言。「負けるわけにはいかないので。全ての子羊漫才師をおりに帰す」と王者の風格を漂わせた。昨年は優勝賞金1000万円を全て譲ったことで注目を集めた松井ケムリ(31)は「取り返しに来ました」と意気込んだ。
優勝への決め手を問われると、くるまは「20回記念大会ということで、M-1への愛、じゃないでしょうか」と語り、ライバルより優れた点を問われると「実績」と即答。「それ1本で。マウント芸で頑張ります」と上から目線を貫いた。
2008年優勝のNON STYLEは翌年に敗者復活から決勝に進出、09年優勝のパンクブーブーも翌年に敗者復活から決勝に進み、ともにファイナル進出を果たしたものの連覇には届かなかった。ストレートでの決勝進出にくるまは「実はちょっと意識してました。うれしいこと」と語り、「敗者復活に行ったらマジで炎上すると思っていた。絶対決勝行かなきゃなと思っていた」と率直な心境も明かしていた。
令和ロマンへの対抗心を全開させたのが、昨年ファイナルで1票差の準優勝となったヤーレンズ。2年連続2回目の決勝舞台に楢葉真樹(38)は「憎っくき令和ロマンを倒す」と、出井隼之介(37)は「いけ好かない王者を俺たちが倒してやりますよ。持たざる者として」と対抗心をあらわにした。
同大会は、プロ・アマ・所属事務所を問わず、2人以上で結成15年以内のコンビが出場可能。決勝と敗者復活戦は22日に開催。決勝を逃した、ワイルドカードのロングコートダディを除いた21組は敗者復活戦に回る。決勝進出9組は次の通り。
ママタルト(初、16年結成、サンミュージック)
令和ロマン(23年に続く2回目、18年結成、吉本興業)
ジョックロック(初、22年結成、吉本興業)
真空ジェシカ(21、22、23年に続く4回目、12年結成、人力舎)
エバース(初、16年結成、吉本興業)
トム・ブラウン(18年以来2回目、09年結成、ケイダッシュステージ)
ダイタク(初、09年結成、吉本興業)
ヤーレンズ(23年に続く2回目、11年結成、ケイダッシュステージ)
バッテリィズ(初、17年結成、吉本興業)
所属事務所は吉本興業5、ケイダッシュステージ2、サンミュージック1、人力舎1。ラストイヤーからは双子コンビのダイタクが悲願の初進出、トム・ブラウンは今大会進出組では最長ブランクとなる6年ぶりの大舞台となった。初進出は過半数の5組。令和ロマンとヤーレンズを軸に、4年連続進出の実力者・真空ジェシカが存在感を放つ中、フレッシュな初進出組から一気に頂点をつかむコンビ登場が期待され、異能すぎるネタで注目を集めるトム・ブラウンは決勝で受け入れられるのか。様々な楽しみが広がるラインナップと言えそうだ。
また、準決勝出場の31組で歌ネタを貫いたのは1組のみ。ボケの1つに歌ネタを組み込んだのは5組おり、その中で1組が決勝に進出した。昨年の決勝ではダンビラムーチョ、モグライダーが歌ネタを軸とした漫才を披露したが結果は振るわず、今大会でも配信等で歌ネタ部分は著作権への配慮で全面的にカットされ続けた。歌ネタとM-1の相性が、以前より良くなくなった印象を受けた。
同大会は、プロ・アマ・所属事務所を問わず、2人以上で結成15年以内のコンビが出場可能。決勝と敗者復活戦は22日に開催。決勝を逃した、ワイルドカードのロングコートダディを除いた21組は敗者復活戦に回る。
◆準決勝進出の31組 真空ジェシカ、マユリカ、カベポスター、トム・ブラウン、ヤーレンズ、家族チャーハン、十九人、金魚番長、ナイチンゲールダンス、エバース、ドンデコルテ、シシガシラ、カラタチ、ダイタク、ひつじねいり、令和ロマン、例えば炎、オズワルド、フースーヤ、今夜も星が綺麗、ママタルト、インディアンス、豆鉄砲、男性ブランコ、ダンビラムーチョ、滝音、豪快キャプテン、バッテリィズ、ジョックロック、スタミナパン、ロングコートダディ (ワイルドカード)