女性の出産後は心身ともに変化が起こりやすいといわれている。目に見えて分かりやすいのは体重が増えてしまうことであり、中には危機感を覚えてダイエットを始める人もいるようだ。
漫画家のいしかわひろこさんも出産後にダイエットを始めたひとりで、その時の様子を『産後ダイエットに失敗したら死にたくなった話』というコミックエッセイにまとめている。同作がいしかわさんのX(旧Twitter)に投稿されると、多くの人から注目を集めて約6000件もの「いいね」を獲得した。
産後ダイエットを始めて1カ月ほど経過した後、体重が大きく減って手ごたえを感じたいしかわさん。それからもダイエットを続けていくも、体に力が入らなくなり、頭も回らず、さらに食べることに対して恐怖心がわくように。うつ状態になったいしかわさんは久しぶりに白米を口にした際、「自分は何か間違えていた」と気づいて涙を流すのだった…。
読者からは「自分もほぼ同じ状況だったからよく分かる」「とても参考になった」などの声が。そこで作者のいしかわさんに同作を描いたきっかけについて話を聞いた。
―同作を描いたきっかけを教えてください。
これは私が実際に体験したことを元に描いたお話です。普段はゆるトレのマンガを中心に描いていますが、ゆるトレを始めるきっかけになったのがこの「産後ダイエットの失敗」でした。この経験は自分にとって苦い記憶ではあるけれど、同じような経験を持つ人や自分の体に悩む人がこの話を通して少しでもラクになれたらという願いから、この話をマンガにして残すことにしました。
―作中でも語られていますが、改めて「産後ダイエット」を経験して思うことがあれば、ぜひ教えてください。
妊娠出産による体の変化というのは、一般的な生活習慣による体の変化とは全然ちがうのだな、と感じました。体を支えるために必要なインナーマッスルが伸ばされ、無意識のうちに姿勢も大きく変わってしまう。理学療法士の先生もおっしゃっていましたが、「産後の体に必要なのはダイエットではなくリハビリ」。その観点があれば、自分をここまで追い詰めることもなかったのかもしれない…と思っています。
出産後の自分の体の変化に焦りを感じている方に伝えたいのは、産後は6カ月や1年だけのことではなく、その後もずっと産後だということ。どうか私のように思い詰めないで、自分の体を信じて大切にしてほしいなと思います。
―読者に向けてメッセージをお願いいたします。
いつも読んでいただきありがとうございます!こうしてマンガを日々描くことができるのも、みなさんのおかげです。『産後ダイエットに失敗したら死にたくなった話』は描き下ろしをくわえた完全版をKindleにて無料で公開しています。産科の理学療法士・近藤カナ先生との産後の体についての対談も収録していますので、よかったらチェックしてみてください。
<いしかわひろこさん関連情報>
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▽電子書籍『産後ダイエットに失敗したら死にたくなった話』(Amazon)