斎藤元彦前知事(47)の失職に伴う兵庫県知事選が17日、投開票され、無所属で出馬した斎藤氏が前尼崎市長の稲村和美氏(52)、前参院議員の清水貴之氏(50)ら6人を破って再選を確実にした。
選挙事務所がある神戸市の商店街には、報道陣約100人が殺到。取り囲むように、熱狂的な支持者も500人近く集まった。午後8時に早々と一部で当確が伝えられると、地鳴りのような拍手や歓声がアーケードに響いた。「斎藤!斎藤!」と大きなコールが沸き、支持者がコブシを振り上げた。涙を流す人もいた。
斎藤氏も、目に大粒の涙を浮かべていた。「すごく苦しい9カ月間だった。だんだんですが、県民の皆さんにこんなに応援していたいだている…いろんな各地で県民の皆さんから『斎藤がんばれ』と激励をいただいた。思いを伝えていただいた。やっぱり感無量なところがある」と胸中を明かした。
斎藤氏は「最初は本当に厳しい状況での街頭活動だった」と選挙戦での苦闘を振り返った。知事を失職した9月30日、JR須磨駅で行った街頭活動を振り返り「一人で、本当に大きな一歩だった。応援の輪が、本当に大きく広がったということを強く感じた」と言葉をかみしめた。
選挙では県職員による内部告発文書問題や、斎藤氏のパワハラ&おねだり疑惑など、知事としての資質が論戦になった。県民は選挙で斎藤氏の返り咲きを選択した。「今回の兵庫県知事選挙は、大切な兵庫県としての第一歩になる。県民の皆さんお一人お一人が、何が正しくて何が真実か、そしてどうあるべきか。県民の皆さんが判断していただいた。本当に、県民の皆さん一人一人のまさに、勝利だと思っています。県民の皆さんの力を本当に、信じさせていただいてよかった」と、何度も頭を下げていた。