81歳のマーティン・スコセッシ監督が、映画製作への冷めやらぬ情熱を語った。監督としてのキャリアを終える可能性について全否定したスコセッシ監督は、リタイアをする気はさらさらないという。スコセッシ監督はトリノ映画祭でハリウッド・リポーターに「シネマにお別れを言うつもりはない」「自分にはまだ作るべき映画があるし、神が私に作る力を与えることを願っている」と語った。
イエス・キリストとフランク・シナトラをそれぞれ題材にした映画が延期になったことを受けての監督継続宣言となったスコセッシ監督。今年両作品を続けて撮影する予定だったものの現在製作が保留されている状況だ。
「ザ・ライフ・オブ・ジーザス」というキリストの映画が最初に製作される予定だったようだが、ある関係者は同作が今も開発段階にあるとバラエティ誌に明かしていた。キャストは発表されていないものの、2018年の「沈黙-サイレンス-」と同様にスコセッシ監督自身が資金を調達するそうだ。ちなみに「沈黙」は遠藤周作の同名小説を原作としていた。
80分程の長さになるという「ザ・ライフ・オブ・ジーザス」だが、スコセッシはイスラエル、イタリア、エジプトでの撮影を希望。キリストの教えを中心に描かれるとして「今『宗教』という言葉を口にするとある種のしくじりだと捉えられて皆が騒ぎ出す。しかし、それは当初の衝動が間違っているということじゃない。遡ってみよう。すこし考えてみるんだ。それを拒絶することになるかもしれない。けどあなたの生き方が変わるかもしれない。頭ごなしに否定しないことだ。私が言いたいのはそれだけさ」と語っていた。
一方、シナトラの伝記映画の関係者は9月、予定されていた11月の撮影スタートがキャンセルされ、新たな情報をもらっていないことを明かしていた。