自民党の前衆院議員・杉田水脈氏が12日、山口県内の事務所で会見し、衆議院選挙(27日投開票)には出馬せず、来年の参議院選挙に出馬する意向であることを明かした。杉田氏は11日に出馬を辞退したと報じられていた。
杉田氏は「元々比例単独の候補ということだったんですけど、比例の名簿での掲載ということはなくなりましたということで」と淡々と説明。「今回の選挙には出馬しないということ?」と質問され、「はい、今回の衆議院選には出馬をしないということになります。」とあらためて明言した。
10日に森山裕幹事長から直接電話連絡があり「杉田さんは来年の参議院選挙に挑戦したいという思いがあるんですか?」と質問されたという。杉田氏が「そういうことも検討しております」と答えたところ、森山氏は「それでは今回の衆議院選の名簿の方には掲載しない方が次につながるのではないか」と“提案”。さらに「あなたは次の参議院選挙に向けて一生懸命がんばる、ということで、今回は出馬しないということで」と伝え、杉田氏も了承したという。
杉田氏は政治資金収支報告書への不記載問題が発覚し、党役職停止6カ月の処分を受けていた。処分期間はギリギリ終了していたが、自民党は比例名簿に記載しないことを決断した形となった。
比例名簿に記載されない理由について、杉田氏は「その時の(森山氏との)会話はそれがすべてでございまして、特に理由とかっていう説明はございません」とした。一方で、不記載があった議員は、小選挙区で出馬しても比例での重複は認められておらず、杉田氏は「同じ仲間が比例重複なしで戦うという中で、単独の私が自分だけ載るというのはどうなんだろうというのは、正直、気持ちの中にはございました」と自身が比例で出馬することへのちゅうちょもあったと明かした。
執行部に対しての思いを尋ねられ「総裁選が終わればノーサイドで、そこのところで一致団結でまとまるのが自民党の良さだという風に聞いておりましたので、私はできる限りそういう考え方でやっていきたいと思います」とコメント。「ここで自分自身が党がやっていることを批判するということはその精神に反すると思いますので、そういう風なことは特にありません」とあえて批判はしなかった。