ファッションデザイナーのステラ・マッカートニーは、ファッションスクールの卒業制作でスーパーモデルを起用したことで、学生らから反感を買ってしまったという。ポール・マッカートニーの娘としても知られるステラは、ロンドンにある大学セントラル・セント・マーチンズでファッションを学んでいた当時、同級生らが友人をモデルに使う中、自分はショービズ界のコネを利用しナオミ・キャンベルやケイト・モスらプロの超一流モデルを使い卒業ショーを開催していた。
ディズニー・プラスのドキュメンタリー「イン・ヴォーグ:ザ・ナインティーズ」でステラはこう明かす。「他の学生たちは皆モデル選びで自分の仲間たちをつかまえていた。私にも仲間がいたけど、その仲間はスーパーモデルだった」「『こんなことしたら嫌われる』って思ったけど、人生は短いんだし、彼女らは本当に私の仲間だったから。地球上で最もホットな女の子たちだったけど」「どこの都市でもショーをやっていた彼女らが私の小さなカレッジ・ファッションショーもやってくれた。素晴らしかったわ」「私は有名人の子供だったし、全てがドラマみたいでね。『ああ、ここから自分を出して』って感じだった」
一方ナオミはステラの卒業ショーについて「あんな卒業は誰も経験がないと思う。セント・マーチンズの学生で(卒業ショーの)コレクションが新聞全紙の一面を飾った人なんて他に聞いたことがないもの」と話し、ケイトは「私たちノッティングヒルをぶらぶらしていてバーやレストランに行っていたけど、ステラが『マッカートニー』だとは知らなかったから」「それから彼女がメルセデスでドライブしているのを見て、『あの子は大学生なのによくあんなもの買えるわね。学生がどうしてそんなに余裕があるんだろう』って私は思っていた。そしたら卒業ショーをやって欲しいって頼まれてね」と続けた。
卒業ショーで反発を受けたものの脚光を浴びたステラ、その後故カール・ラガーフェルドの後任としてクロエのチーフデザイナーという大役に指名されたものの、当のカールは自分の起用に満足していなかったとしてステラはこう話してもいた。「カールはこう言っていたわ。『私の後釜に大物を起用することはわかっていたが、ファッション界じゃなく音楽界のビッグネームを使うとは』って」