米不足…妻を喜ばせようと多めに新米購入も「高い。もったいない」と怒られた! 識者が語る対処法

石原 壮一郎 石原 壮一郎
画像はイメージです(m________k____/stock.adobe.com)
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 コメ(米)が品薄になっている。農林水産省が4日に開いた会議の中で、出回り始めた新米の店頭価格が5キロで3千円を超えている現状が伝えられた。昨年と比べ千円前後高い水準で、こうした価格高騰が懸念されている。家庭においても「米」は食生活の必需品だけに、品薄や値上がりをめぐる悲喜こもごもがある。「大人研究」のパイオニアとして知られるコラムニストの石原壮一郎氏がその一例を紹介し、困った時の対策を提言した。

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 【今回のピンチ】

 スーパーで新米を発見。そういえば妻が「お米が買えない」と嘆いていたので、割高だったが購入。ところが、妻に「今は普通に売ってるのにもったいない!」と叱られた……。

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 「スーパーのお米の棚が空っぽ!」というニュースは、何度か目にしていました。妻も少し前に「お米が買えなくて大変」と嘆いていた気がします。

 そんな折、飲み物を買いに立ち寄ったスーパーに「新米入荷!」のポップが。お米を買って帰ったら、きっと妻に感激してもらえるはず。うるんだ瞳で「うわー、ありがとう。さすがねー」なんて言われている光景を思い浮かべつつ、「お一人様2点限り」とあったので5キロ入り2袋を購入しました。

 何となく割高みたいでしたが、そんなことを気にしている場合ではありません。今はお米を手に入れることが先決だし、妻に感激してもらえるなら安いものです。

 幸せな展開を思い浮かべながら、意気揚々と帰宅。妻に「お米あったよ!」と得意気に披露したところ、予想に反して、あまり嬉(うれ)しそうではありません。さらに、値段を伝えたら、「高っ!今はもう普通に売ってるのに、もったいない!」と叱られました。

 人生は、思い描いたようにいかないものです。いいところを見せようと、慣れないことをしたが故の大ピンチ。どうすれば失態をカバーすることができるのか。

 こちらの気持ちを汲もうとせず、一方的に非難してくる妻にも、大いに問題はあります。だからといって「そんな言い方しなくていいじゃん!困ってるって言ってたから買ってきたのに」と責めるのは禁物。もっともな言い分だけに、妻をさらに不機嫌にさせ、結果的に攻撃の勢いが強まるでしょう。

 「たまには高級なお米もいいんじゃない。きっと、いつもよりおいしいよ」と割高なお米の意義を説くのも、危険すぎるチャレンジ。妻に「いつも私が買ってるお米はマズいってこと!」と言われかねません。

 ここは場を和ませるために、筋違いの八つ当たりをしてみましょう。「えーっ、もういつもの状態に戻ったの!?なんてこった!日本の物流や小売りのシステムは、これだから困るよ!」と大げさに嘆きます。

 そんなふうに言うことで逆説的に、妻にも自分にも「当たり前の日常を支えてくれている人たち」への感謝の念が湧いてくるかも。お互いに「ケンカしている場合じゃない」という気持ちになれたら万々歳です。

 しかしまあ、妻もちょっと戸惑っただけで、本気で怒っているわけではないはず。話をあっさり終わらせるためには、あっさり謝っておくのがいちばんです。明るい声で、こう言い放ちましょう。

 「そっか、ごはんごはん。じゃなくて、コメんコメん。じゃなくて、ごめんごめん」

 日常のどうでもいい出来事で、いちいちムキになって言い訳したり、相手側の非を探し出して責めたりする必要はありません。この程度のダジャレで軽く流しておけば十分です。そんなスタンスで日々を過ごせば、夫婦関係も人生も今より楽になるでしょう。

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