再結成するオアシスのツアーのチケットに関して、チケットマスター社の「ダイナミックプライシング(変動価格制)」に調査が入ることとなった。欧州委員会(EC)は2025年の英国、アイルランドを回る再結成ツアーについて、需要に応じてチケット料金を値上げするシステム「ダイナミックプライシング」の緊急調査を開始した。
ツアーのチケットの一部を135ポンド(約2万6000円)から350ポンド(約6万7000円)に値上げした米国資本のチケットマスター社だが、英国と欧州の法律に違反している可能性があると指摘されている。ガーディアン紙によると、ECの広報担当が今回の調査を確認。英国の競争市場庁(CMA)もダイナミックプライシングの使用について緊急に検討しているという。
上述の広報は同紙に説明した。「消費者保護法は消費者との取引が公正かつ透明であることを企業に求めています。企業は支払われる価格について明確で正確な情報を提供しなければいけません。それを怠った場合法律違反の可能性があります」
ECはEU消費者法の適性検査の一環として、今回のダイナミックプライシングを調査し、禁止もしくは緩和の可能性を検討する意向だ。
ダイナミックプライシング自体は違法ではないものの、オンライン上で消費者が商品をカートに入れてから価格が上がったり、サイトが商品に関する「必要な重要情報」を伝えていなかった場合はEUの指令に違反している可能性がある。
オアシスのチケットに関して現在英国の広告基準局(ASA)には、チケットマスターが事前に350ポンドもすることを発表していなかったとして多数の公式苦情が寄せられている状況だ。ファンらはオンライン上の行列で何時間も待機し、支払いとなった時に初めてチケット料金が高騰していることに気づいたという。
この件について英国のリサ・ナンディ文化相の言葉をスカイニュースは伝えた。「政府はファンを音楽の中心に戻すことを約束します。チケット転売の消費者保護に関する近日中の協議にはダイナミックプライシングの透明性と使用の問題が含まれる予定です」