英人気ロックバンドのピンク・フロイドのドラマー、ニック・メイスン(80)がAIを使用し新たな音楽を作りたいという。1985年に脱退したロジャー・ウォーターズとデヴィッド・ギルモアの長きにわたる確執ゆえ、現存メンバーでの再結成はないと考えているニックだが、AIを使えばロジャーが脱退していなかったかのような音楽ができる可能性があると考えているそうだ。
ニックはサンデー・ミラー紙にこう話す。「AIでどんな新しい音楽ができるのかを見るのは興味深い。それを使って、『ピンク・フロイドの行方はどこに?』って思うとね」「やるべきはデヴィッドとロジャーが再び友達に戻れるようなAIのシチュエーションを作ることだ。最終的にはABBA(のバーチャル・コンサート)のようになるかもしれないね」
2005年のライブ8が最後の共演となった同バンド、オリジナルメンバーのシド・バレットは1968年に精神的な問題で脱退し2006年に他界、その2年後にはキーボードのリチャード・ライトも帰らぬ人となっていた。
今回ニックはロジャーとデヴィッドの確執によって同バンドの楽しかった時間やキャリアに影を落とすこととなったと話してもいた。それでも「55年のキャリアの中で、そのほとんどはとても楽しいものだった。成功したバンドに所属し、世界中をツアーし、本当に面白い人たちと付き合えたのは非常に恵まれていた」と振り返る。現在も自身のバンド、ソーサーフル・オブ・シークレットで初期のピンク・フロイドの曲を演奏しており、昔の曲を再び聴くのが好きだという。「ピンク・フロイドを続ける一番の利点は僕らのためのものさ。閉じるより続けることに意味があるのは明らかだ。時間が経てば、経つほどよりバラ色のような輝きになるから楽しくなる」