アニメ「金田一少年の事件簿」金田一一役、「犬夜叉」鋼牙役などで知られる声優の松野太紀さんが26日に右大脳出血のため死去した。56歳。所属事務所の青二プロダクションが27日に公式サイトで報告した。
親交の深い声優仲間の三ツ矢雄二(69)は28日、自身のX(旧ツイッター)を更新。「松野太紀が亡くなった。僕にとっては、友達いや親戚いや分身のような存在。心の一部をもぎ取られた様な感覚です。悲しくて、胸が張り裂けそうです。うろたえてしまって、一日中心臓の鼓動が早鐘のように脈打っています。予定を切り上げ、明日帰国します。一刻も早く松野に会いたいから…」と投稿。休暇を利用して米ニューヨークに滞在中だったが、予定を変更して帰国することを明かし、悲痛な胸中を吐露した。
松野さんは人気を集めた声優ラジオ「アニメトピア」で三ツ矢の弟分として度々登場。1982年放送開始のアニメ「さすがの猿飛」では、三ツ矢演じる主人公・猿飛肉丸を「センパイ」と慕う後輩忍者の服部優一郎役を務めた。ラジオでの立ち回りと、役柄がマッチし、アニメファンからより広く認知されるようになった。
松野さんは「遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX」万丈目準役、「赤ずきんチャチャ」ラスカル先生役、「フレッシュプリキュア!」タルト役、「スポンジ・ボブ」スポンジ・ボブ役などを演じる一方、ラジオパーソナリティ、舞台、音楽ライブ、青二塾での後進育成など、幅広い活動を展開。俳優としては山田洋次監督作品に縁が深く、「隠し剣 鬼の爪」(2004年)、「おとうと」(2010年)、「東京家族」(2013年)、「男はつらいよ お帰り 寅さん」(2019年)に出演。昨年公開の「こんにちは、母さん」にも登場していた。
三ツ矢がXに自身の誕生日会などの写真を投稿する際は、声優仲間の田中真弓、冨永みーならとともに、松野さんの姿も度々見受けられた。今月21日にはXで「今からニューヨークへ旅立ちます。目的は、戸田恵子さんのニューヨーク公演を見るためだけど、これを機会に二週間、お休みします。帰国は7月5日の予定。またもやミュージカル三昧になる事でしょう」と報告していた。
「犬夜叉」で共演した日高のり子は「松野太紀くん… こんなに早くお別れすることになるなんて… 20代の頃は三ツ矢さんと一緒によく飲んだね。 「犬夜叉」で共演できた時は、懐かしくてすごく嬉しかった。 もう一度、一緒にご飯行きたかったな。 どうぞ安らかに…」と自身のXにポスト。松野さんを悼んだ。