MBSの海渡未来アナウンサーがこのほど、よろず~ニュースの取材に応じた。中高は創作ダンス部に所属して全国3位、大学で入部した水上スキー部では全国大会で学生日本一の経歴を持つ、入社3年目。テレビ、ラジオと幅広く活躍する関西注目の女子アナが、アナウンサーになったきっかけ、これからの目標などを語った。
コロナ禍だった大学3年生の春。母のひと言が運命を変えた。「『家でゴロゴロしているなら、アナウンサーのインターンでも受けてみれば?』と言われて。アナウンサーはテレビ局の人ではなく、就職活動でなれるものだとは思っていなかったので」。テレビに出演しているアナウンサーは全員、プロとしてどこかの事務所に所属していて、テレビ局の社員ではないと勘違いをしていた。
中高時代の平和学習で世界各国の情報などを学ぶうちに、テレビ局でそういう仕事をしたいという漠然した思いはあった。「今からでもアナウンサーになれる」と受けたインターンが楽しく、自分は人に伝えることが好きだと分かり、チャレンジしようと決意。ただ、周囲はアナウンサーになるために、早い段階から準備している人ばかりだった。「初めてインターンに行ったときは、まだアナウンススクールにも通っていなくて、何も知らない状態だったので」。30秒の自己PRでは就職活動の練習だと経歴や自身の強みなどを話したが、ほかの人はキャッチフレーズや動きなどを取り込んでいた。「私ひとりだけが場違いだったんですね」。驚きしかなかった。
慌ててアナウンススクールに通い始めるも1、2カ月後にMBSから内定をもらった。「面接はボロボロでした。緊張で顔が引きつってしまい、カメラテストもあったんですけど慣れていなくて…。でも、『アナウンスの技術などよりも人柄を見ているので。アナウンス技術は2カ月間、みっちりと研修で行います』のようなことは言われましたね」。あきらめかけた夢がかなった。
実際にアナウンサーになると、想像以上に自分の性格に合った。「発声練習や地道な勉強とか、思ったより自分の努力を積み重ねられる世界だと。技術的なところを極めるというのは、私が今までやってきたスポーツとあまり変わらないというか。毎日これを頑張ろうとして、それが結果的に技術としてつながるということが通じるので」。学生時代にスポーツで鍛えられた経験が大いに役立っている。
やりたいことはたくさんある。「スポーツ、バラエティー、報道…。スポーツでしたら、これまで自分がしてきた経験を、どう仕事につなげていくか。MBSの女性アナウンサーの中で一番のスポーツアナウンサーを目指しているところですね」と先を見据えた。
学生時代に修学旅行で訪れた沖縄県で、戦争を体験した女性から聞いた話も一つの使命として感じている。「泣きながら私の手を握って『こうして必死に伝えるしかないから、これをあなたたちで止めないでね。誰かにお願いだから伝えてって』と言われたのが鮮明に覚えていて…。戦争だけではなく、私たちの世代が伝えていくという意識は常に持って、そういう仕事にも触れていきたいと思います」。
現在はテレビ、ラジオで担当番組は5本。「本当にやりたいことがいっぱいあって…。今はどのジャンルでも『私に任せてください』と言えるようになれるくらい、ひとつひとつ自信を持ってできるようになることを、直近の目標にしています」。貪欲に一歩ずつ階段を上っていく。
◆海渡未来(かいと・みく)1999年11月21日生まれ、24歳。東京都出身。立教大学卒業後の2022年にMBS入社。特技は水上スキー、創作ダンス。大学時代に水上スキーで学生日本一。
(担当番組)
【テレビ】
『KICK OFF! KANSAI』(日曜、24・50)
『住人十色』(土曜、17・00)
『よんチャンTV』(月~金曜、15・40)月曜出演
【ラジオ】
『上泉雄一のええなぁ!』(月~金曜、5・50)木曜出演
『こども音楽コンクール』(土曜、17・45)