すっきりしない天気が続く梅雨の時期。「なんだかしんどい」「どうもやる気が起きない」など毎年精神的不調を感じる人も少なくないのでは。
化学メーカーの日本ゼオン社が20~60代の男女993人に対して実施した「梅雨の体調不良」に関するアンケートの調査結果によれば、およそ2人に1人(54.0%)が毎年、梅雨時期に不調を実感。主な症例としては「やる気の低下」(58.0%)、「気分の落ち込み」(48.5%)、「頭痛・頭が重い」(34.3%)などが上位の一方、22.9%は「睡眠の質の低下」を感じる結果となった。
睡眠負債に詳しい、睡眠評価研究機構の白川修一郎氏は梅雨の体調不良の原因のひとつを「雨天時の日光浴不足による生体リズムの乱れ」と指摘。雨天が続くことで生体リズムが崩れ“良い睡眠”が実現しにくくなるという。
白川氏によると、そもそも“良い睡眠“とは「睡眠中に成長ホルモンがしっかり分泌され、脳の老廃物が取り除かれること」。これを実現するポイントは覚醒時の行動(太陽を浴びる、食事をする、運動をする…など)にあり、その基点となる生体リズムは1日で十数分ズレる性質をもっており、眼の網膜で光を感知し、朝の光を浴びることでリセットされる。
雨天続きで外出しづらい梅雨時期では、そうした生体リズムが崩れがち。白川氏は睡眠の質を向上させる4つのポイントを挙げた。
①午前9時前に20~40分太陽を浴びる
②1日を通じて1~2時間程度日光を浴びる
③梅雨時期でも毎日外出する
④朝ごはんを食べる
反対に、睡眠の質を下げるNG行動として「飲酒や食事を就寝直前にとる(=約2時間前までに済ます)」、「スマホ・PCを就寝直前まで使用する(=30分前からは触らない)」を挙げた。