伝説ドラマ「傷だらけの天使」が放送50周年 水谷豊の「アニキ~」!ダウンタウンも影響受けた魅力を探る

北村 泰介 北村 泰介
ドラマ「傷だらけの天使」でカリスマ的な存在感を発揮した〝ショーケン〟こと萩原健一さん。今年で没後5年となる(2014年撮影)
ドラマ「傷だらけの天使」でカリスマ的な存在感を発揮した〝ショーケン〟こと萩原健一さん。今年で没後5年となる(2014年撮影)

 〝ショーケン〟の愛称で一時代を築いた俳優・歌手の萩原健一さん(2019年死去、享年68)と、テレビドラマ「相棒」シリーズなどで現在も第一線で活躍する水谷豊(71)の名コンビが躍動した伝説のテレビドラマ「傷だらけの天使」(以下「傷天」)の放送開始から今年で50周年を迎えた。その節目に出版された新刊『永遠なる「傷だらけの天使」』(集英社新書)の著者に話を聞いた。(文中一部敬称略)

 本作は1974年10月から75年3月まで日本テレビ系で土曜夜10時からの1時間枠で放送。東映「仁義なき戦い」シリーズの深作欣二、日活ロマンポルノの鬼才・神代辰巳ら先鋭的な映画監督、市川森一ら気鋭の脚本家も参加した野心作だ。情報社(探偵事務所)から無茶ぶりされた仕事で奮闘する調査員のオサム(萩原)とアキラ(水谷)のW主演。岸田今日子と岸田森(しん)が脇を固め、桃井かおりら多彩なゲストも出演。終了後も再放送や映像ソフトなどで世代を超えて支持されてきた。

 ダウンタウンはフジテレビ系「ダウンタウンのごっつええ感じ」の93年5月放送回で「傷天」にオマージュを捧げた。目にゴーグル、耳にヘッドホンを付けて眠っていたオサムが起床し、トマト、クラッカー、缶詰のコンビーフ、魚肉ソーセージを食べ、牛乳びんの蓋を口で開けて飲み、胸元にはナプキン代わりの新聞紙…という毎回のオープニングシーンが元ネタだ。オサムに扮した浜田雅功が二人羽織で背後に入った松本人志から同じメニューを次々に口にぶち込まれるコントだった。

 浜田と松本は放送当時11歳の小学5年生でリアルタイム世代の〝年少組〟。水谷の「アニキ~」のセリフは子どもたちの間でも流行した。「ごっつ」でのパロディ映像は16年5月放送のフジ系「ダウンタウンなう」で萩原本人と鑑賞するという企画もあり、当時7歳の人気子役として「傷天」の第1回に出演した坂上忍も同席していた。

 本書の著者・佐藤洋笑氏は74年、山本俊輔氏は75年生まれ。後追い世代の山本氏はよろず~ニュースの取材に対し、「萩原さん、水谷さんや脇役・ゲスト俳優たちの得難い個性と、70年代半ばの切なくて気だるい社会の空気感。(主役2人の)金も地位もないけど自由を謳歌している生き方」を魅力の要因に挙げ、関係者への取材を通して舞台裏や人模様をあらゆる角度から描いた。全26作の「あらすじ」と「解説」も詳述。山本氏は「改めてこの名作ドラマの魅力を、長年のファンの方々、今まで観たことのない人、存在を知らなかった人にも伝えられたらいいなと思います」とアピールした。

 6月開催の刊行記念イベントには影響を受けた芸能人が登壇。小堺一機(1日)に続き、11日には竹中直人が新宿ロフトプラスワンで「傷天」を語る。

 山本氏は「小堺さんは得意のモノマネを交えて、萩原さんや水谷さんとの交流の思い出をたっぷり語ってくださいました。もう一人の熱烈な傷天ファンで、映画『226』で萩原さんと、ドラマ『相棒』で水谷さんと共演している竹中さんにオファーを出したところ、出演快諾をいただきました。竹中さんには映画監督としての側面がありますので、その観点からの傷天や萩原さん、水谷さんたちの魅力や、萩原さんのライバル的存在である松田優作さんとの交流についてもうかがいます」と予告した。

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