アーノルド・シュワルツェネッガー(76)とシルベスター・スタローン(77)のライバル関係は、お互いのキャリアにとって「とても役に立った」という。
1980年代から90年代にかけての絶頂期には、互いに反目しあっていたアクションスター同志の2人だが、「競争相手」と見なせる存在がいたことが、仕事の大きなモチベーションになっていたことを認めた。
YouTube番組「TMZプレゼンツ・ アーノルド+スライ: ライバルズ・フレンズ・アイコンズ」の共同インタビューで、シュワルツェネッガーは「それは間違いない。彼は私のキャリアにとても役に立った。追いかけるものがあったんだ。この喧嘩は私が始めた事だった。口を開けば、バカなことを言い、競争心を煽っていた」と語った。
一方のスタローンは「彼が現れたとき、やっとやる気が出たんだ。彼は、あえて言うなら、競争相手であり、脅威であり、言葉が思いつかないね。彼を見た瞬間、2人のアルファが殴り合っているようだった。パーティに入ったら、数秒間見つめ合って、『あいつをとっちめなきゃ。あいつは何も悪いことしてないけど、いつかやるんだ』って思ったね」と付け加えた。
1977年のゴールデン・グローブ賞では、シュワルツェネッガーが「ステイ・ハングリー」で新人男優賞を受賞、スタローンの映画「ロッキー」は栄えある作品賞を受賞したものの、スタローンがシュワルツェネッガーに花束を投げつけたことが知られており、キャリアの初期に起きたこの出来事を笑い話としてこう振り返っている。
シュワルツェネッガーが「2人とも受賞したから、みんなに余裕があったんだね」というと、インタビュアーのハーヴェイ・レヴィンは「私の記憶とは違う。スタローンは『ロッキー』が作品賞を受賞したとき、シュワルツェネッガーに花の鉢を投げたんじゃなかったっけ?」と指摘した。
これに対し、スタローンは「ああ、間違いないよ。彼は私の向かいに座っていた。『なんであいつが新人賞なんだ』って思ったんだ。悪気はないけど、『ロッキー』はかなりいいデビュー作だった。 彼はとても誇らしげな顔をしているし、まさか我々が作品賞を受賞するとは思っていなかったんだ。私たちは受賞した。でも俺(個人)は負けたんだ」と答えた。
シュワルツェネッガーは、「その出来事は覚えているけれど、『よし、これは戦いの始まりだ』とはまだ言わなかったよ。それから発展したんだ。彼を追いかけなければならなくなったんだ」と説明した。
そんなかつてのライバルはいまや友人同士であり、ふたりは互いを尊敬し合っているという。シュワルツェネッガーが「僕も彼のように情熱的になりたいよ」と言うのに対し、スタローンは「彼はまるで変わらない季節のようなんだ。とても組織的で、計算高く、思慮深い。私はそうではない。心が頭脳を圧倒してしまうんだ。彼はまるでチェスの棋士のようで、何を考えているかわからないんだけど、物事をやり遂げる。そして本当に心が広いんだ」と前カリフォルニア州知事であったシュワルツェネッガーの「揺るぎない」人格を賞賛していた。