英国の「アウトローの木」をご存知?ディズニー映画のモデルにもなった伝説の英雄「ロビンフッド」にも関連

近藤 リナ 近藤 リナ
こちらが「アウトローの木」と呼ばれる巨木
こちらが「アウトローの木」と呼ばれる巨木

イギリス「アウトロー(無法者)の木」と呼ばれる木があるのをご存じだろうか?

現在、イギリス在住の筆者。ある時、ノッティンガムシャー、ノッティンガムの北方にある王室林「シャーウッドの森(Sherwood Forest)」を歩いていると、マジョール・オーク(Major Oak)と呼ばれる木が目に留まった。横幅28mもある巨大な木で、太い幹には人が入れそうな大きな空洞が空いているのが印象的だったが、その木の立て看板に「アウトローの木」と書かれていた。

看板によると「この木は、無法者たちが会合を開いたり、伝言を渡したり、物資を保管するのに最適な場所」だったそう。無法者たちにとってこの大きな空洞は、人目を避けられる絶好の場所だったのだ。

マジョール・オークの歴史を研究しているthe Edwinstowe Historical Societyの担当者Wright さんにお話を聞いた。

ーーイギリスの人たちににとってマジョール・オークはどのような存在なのでしょうか?

Wright :すでに西暦800~1100 年の間には存在していたことがわかっています。マジョール・オークはヴァイキング、シェイクスピアの誕生と死、ニュートン、二度の世界大戦を乗り越え、イギリスの歴史を見続けてきました。また世界中から何百万人もの人々がこの木の周りに集まり、その枝を見上げてきました。ヨーロッパで最も重要な古代オークの一つとして今後、何世代にもわたって維持していきたい大切な存在です。

ーーマジョール・オークの空洞には34人もの子供たちが入れるという記録を見ました。

Wright :子供の数の記録は1960年代のものです。樹齢を重ねるにつれ空洞の容量は変化するとされていますが、近年では木の保存のため誰も入ることができないので、大きさは測定されておりません。

◇ ◇

マジョール・オークが大切にされている理由のもう一つの理由が中世イギリスの伝説的英雄とされているロビン・フッド。ディズニー映画をはじめ、数々の創作物のモチーフとなっているロビンフッドだが、この木を会合場所として使っていたと言われている。 彼はシャーウッドの森を活動の根拠地に、貴族や聖職者の富を奪い"無法者"と呼ばれたが、実際は貧しい人々を助けるヒーローとして活躍したのだ。

イギリスの歴史と共にあるマジョール・オーク。イギリスを訪れる方にはぜひ訪れていただきたいスポットだ。

Major Oak関連情報

Edwinstowe Histrical Society公式サイト: https://edwinstowehistory.org.uk/local-history/sherwood-forest/trees-sherwood-forest/

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