日本維新の会の音喜多駿政調会長(40)が23日、国会内での会見で、衆院東京15区補選(江東区、28日投開票)で他陣営から選挙妨害を受けているとして「立法府としてできることはすべてやっていかなくちゃいけないだろうと思っています」と述べ、公職選挙法で定めた選挙の自由妨害罪について罰則強化や要件の具体例を明確にした改正案提出を今国会で目指す考えを明らかにした。
音喜多氏は「本当にひどい状況。まともな選挙戦ができない状態。彼らも街頭演説会場に乗りつけてスピーカーで妨害してくるのはもちろんのこと、いわゆるあおり運転などもしてきます。けが人は多数発生していますし、死人が出てもおかしくない状況。危機感を非常に強く覚えている」としながらも、警察は全く対応できていないとした。
候補者自身が妨害をしていると指摘した音喜多氏は「政治活動の自由、演説の自由はあると思いますけども、それを理由に、警察側が対処していただけないという状況」と説明。公職選挙法225条の「選挙の自由妨害罪」では、候補者本人や運動員にも選挙の自由妨害罪が適用されるとしたが「一般論で考えれば、立候補している方ってのは選挙運動の自由、政治主張ができる自由があるわけなので適応しづらいというのはあるんだろう」と推察した。
音喜多氏は「この法律を警察、捜査機関が動きやすいものに変えていくということが必要」として、最高で懲役4年、100万円の罰金を科すと規定する選挙の自由妨害罪を、公職選挙法で一番重い懲役5年まで引き上げるよう訴えた。
さらに「今も威嚇する行為というのは、選挙の自由妨害罪で禁止されているが、なかなか取り締まってもらえない。威嚇とは何なのか。近づいて大声を出すとか、動画を撮るとか。動画を撮るまでいけるかどうかわかりませんが、具体的に書き込めるところまで条文の中に書き込んで、警察が対処しやすくするということ」と主張した。
聴衆側の演説を聞く権利も侵害されているとして「私の聞く権利が侵害されたとなれば、聴衆側も被害届が出せるようにしやすくする。具体的に書き込むことで、有権者側の思いにも寄り添って警察が動けるような体制をつくっていただきたい」と挙げた。
「あくまで試案とか、党内でまだ議論しているたたき台の案」とした音喜多氏は「とにかく各党、各会派の協力を仰いで、今国会中に何らかの形で公選法の改正を行い、こういったことを二度と起こさないという強い意志を示すということは大事。我が党の案がまとまり次第、各党各会派に協議を呼びかけていきたい」と強調した。