体操女子選手で株式会社TRyAS代表の杉原愛子(24)が17日、大阪市内で女子体操競技をさらに盛り上げるために結成した「Jts(ジェイティーエス)」の記者会見を行った。
杉原はリオデジャネイロ、東京と2大会連続で五輪出場。22年に競技者として一区切りをつけ、指導者、審判、リポーターなどを経験したが、昨年、現役復帰してパリ五輪を目指すことを表明。昨年6月の全日本種目別選手権では1年ぶりに競技復帰し、種目別床運動で優勝を飾っていた。
高原菜心(16)、佐藤美結(15)、久保田麗音(15)の初期メンバーと姿を現した杉原は「オリンピックイヤーですし、体操の魅力をもっと知ってもらうために、この時期に発表させていただきました。さまざまな夢を持つ女子選手を応援するというプロジェクトとして活動していく予定です」と抱負を語り、具体案として①情報発信の強化による女子体操競技の魅力拡散、②経済的応援による家族やクラブチームの負担軽減、③技術面以外でのスキルアップを掲げた。
①については「女子体操はさまざまな理由で試合会場での撮影がやりにくい、難しい状況があると思います。そのため、さまざまな情報がSNSを通じて広がりにくい状況にあると思うので、私たちJtsが主体となって、記憶や現状を発信する活動を積極的に行う予定です」とイメージを膨らませていた。
体操の女子選手は盗撮や性的に強調された写真などがSNSに投稿される被害も多い。対策として杉原もアイタードというショート丈のユニタードをプロデュースしている。「私自身、経験もあり、聞いたこともあり、私がアイタードを試合で初めて着たので。そういった対策だったり、SNSに関してはそういう風に見られない角度で撮ったりとか、工夫は今後行っていきます」と先を見据えた。
②は選手が自ら活動を継続的に環境をつくること。「選手の中でも経済的な理由で辞めないといけない状況もあります。選手や保護者に対しての普段をなるべく減らせるように、選手活動を継続的に行えるような経済的な仕組みを整える予定です」と明かした。
③については体操業界以外の視点を取り入れてれてさらなる演技力アップを目指すアカデミープログラムを実施する。「体操の技術だったり、コンディションの調整だったりは、多くの所属クラブで行っていると思いますが、運動学、スポーツ栄養学などについて、こだわっていることが少ない状況にあると思いますので、学べるようにサポートをしていく予定です」と語った。第1弾として、ダンス・音楽業界からリズムの取り方を学ぶ授業を行う。
また、「Jts CheerZ」というグループの立ち上げを発表した。パリ五輪をにらんで活動期間は6月から9月で、女性限定に18歳以上のメンバーをJtsホームページで募集。SNSなどによる情報発信を通じて『Jts』と一緒に体操を盛り上げていく。「未経験者でも経験者でも年齢、所属を問わずに募集しています。未経験の方でも、体操を見るのが好きというのも魅力のひとつだと思うので、そういうことを語っていただければ」と呼びかけた。