れいわ新選組代表の山本太郎参院議員が15日の参院予算委員会で、岸田文雄首相に、経済学者の成田悠輔氏が過去、少子高齢化問題をめぐり「唯一の解決策ははっきりしていると思っていて、結局、高齢者の集団自決、集団切腹みたいなことしかない」などと発言したことに対する見解をただした。
山本氏は「今、社会には、高齢者の集団自決、集団切腹すべきとの言説が存在します。選民意識、優生思想の固まり。あまりにもひどい言論で私は許せません。総理は少子化問題の解決のためには、高齢者は集団自決、集団切腹するべきとお考えになりますか」と質問した。
意表を突かれた岸田首相は「全くそんなことは考えるべきではないと思います。いきなり、私の常識からは外れたご指摘でありましたが、ちょっと解釈に…理解しましたが、まったくそんなことはないと認識いたします」と、驚いた表情で答弁した。
社会やネット上などで成田氏の言説が躍っているとして「全くもって不適切であると、総理から国民に対して宣言していただけないでしょうか」と山本氏が迫ると、岸田首相は「どなたがおっしゃったか背景はわかりませんが、今お聞きするにあっては、極めて不適切な発言と感じております」と述べた。
山本氏は「そういった言説が社会で支持されるのは異常」と、キリンが成田氏の広告起用を取りやめたことに触れ「政府が、このような考えを持つ者をありがたがって、仕事を与え、メシの種を提供する。政府が取り引きがある、仕事をしている実績をつくっていることが問題」と指摘。成田氏の高齢者への発言後に、農水省のネット番組や財務省の広報誌に登場していることをただした。
「これらの起用は、適切でなかったと認めていただきたい。政府の顔、省庁の顔に使ってよいのか。これはまずいんですね」と山本氏が再び迫ると、岸田首相は「起用した経緯は、承知しておりません。いずれにせよ、先ほどの発言は不適切である。これは強く感じます。確認をして判断すべきだと思います」と重ねて強調した。
岸田首相は「一般論として、広報活動においての人選においては、より慎重でなければならない。慎重に検討すべき課題」とした。