宝塚歌劇団員の俳優女性(当時25歳)が2023年9月に転落死した問題で、遺族側代理人の川人博弁護士(74)、井上耕史弁護士(51)が27日、都内で会見を開き、歌劇団と親会社の阪急阪神ホールディングス(HD)、阪急電鉄との交渉経過を公表した。
遺族側代理人は、2023年10月19日に発行された宝塚歌劇団の機関誌「宝塚GRAPH(グラフ)」11月号(宝塚クリエイティブアーツ)の内容を問題視した。同誌では、死亡した女性にヘアアイロンでやけどをさせた当事者とされる宙組の上級生が、インタビュー記事に登場。稽古へ出発する際の荷物について「ヘアアイロンを持っていこうかな」や「絆創膏など、欲しくなるかもしれないものが沢山入っています(笑)」と発言、寄稿している。
川人氏は「9月30日に被災者が死亡したことを考えれば、上級生が上記のように、あえてヘアアイロンや絆創膏のことを持ち出し、最後に『(笑)』などと茶化して述べたのは上級生が被災者に対し、やけどを負わせたことを反省せず、被災者を悼む気持ちを持っていないと言わざるを得ない。非常識な発言内容」と批判。同誌に掲載した阪急電鉄の100%子会社である宝塚クリエイティブアーツ社の責任は重大だとした。
遺族側は「このようなインタビュー記事が出てくるのは容認、看過できない。心情をいたく傷つけられている」と主張。川人氏は「掲載記事に関する経緯を説明し、遺族側に対し誠実な対応をとることを求めていく。問い合わせ、質問し、必要な対応をしてまいりたい」と同社に説明責任があるとし、阪急・歌劇団側にも「上記のような発言がなされたことを踏まえ、必要な措置を講ずるべきだ」と指摘した。