糖尿病治療薬によるダイエットには危険も…「腹6分目ダイエット」お試しを 食事量の書き出しも効果 医師が語る

谷光 利昭 谷光 利昭
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 最近、全国的に風邪症候群の治療薬が欠品している状態です。現場としては困ったことです。そして、少し前、別の薬でも同様の状況が出現して話題となっていました。糖尿病治療薬です。

 ここ最近は、あまり欠品の情報は聞かなくなりましたが、ダイエット薬として糖尿病の薬を処方されることにより、本当に必要な患者さんに薬の処方ができない状況があったと聞きました。本来は糖尿病の治療薬なので、保険で処方することはできないケースもあるのですが、自費診療でダイエット薬として処方されていたようなのです。

 大まかには2種類の薬があります。一つは尿から糖分を大量に出して痩せる薬です。肥満傾向のある方は、糖尿病がなくても脂質異常症や多血症気味であるなど、脳梗塞、心筋梗塞のリスクが高い方が多く認められます。大量の尿を出すので、脱水傾向になりやすく脳梗塞、心筋梗塞のリスクが高くなります。安易な考えで内服することはお勧めできません。

 もう一つは、人体にあるホルモンと似た薬です。その薬を飲むことにより、体内で血糖を上昇するホルモンの分泌が抑制されます。また、食欲抑制、胃内の食べ物の排泄を抑制し、食事の摂取量が抑えられます。ただ、重篤な感染症や腎機能障害がある人には、投与が禁忌とされています。副作用として腸閉塞、急性膵炎などの重篤な疾患も挙げられており、こちらも安易な内服は危険だと思われます。

 私がお勧めするダイエットは、腹6分目ダイエットです。肥満の人は過食が原因であることが多く認められます。まずは、食事量を減らすことが何よりも大切です。食べたものをノートに書きだし、友人、知人に見てもらうといいと思います。

 食事量を自分以外の人に見てもらうことで、客観的に判断することが出来、比較的スムースに食事制限が出来るケースが多くあるんです。また、この寒い季節に運動などをしてのダイエットはかなり難しいと思われます。仕事が忙しくて、コンスタントに運動を継続できない人も多くおられるでしょう。

 自分の過食に気づき、無理なく食事制限ができること、これが大切です。

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