こちらは「履いてませんよ」―。米ニューヨーク・ブルックリンで毎月開催されている「ネイキッド・コメディ(裸のコメディ)」では、文字通り出演者が全裸で舞台に立つことで知られている。裸で笑いを取る芸なのか?いえいえ、本当の売りは高度な話術。創意工夫で観客を魅了している。
日本の芸人、とにかく明るい安村が昨年、英オーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」で、お馴染みのパンツ一丁の裸ネタ「安心してください。履いてますよ」で世界に旋風を巻き起こしたが、ある意味、それを“超越”した芸風だ。
主宰するスタンドアップ・コメディアンのビリー・プロシダさんは、既に1年以上ショーを開催しているという。「裸であるだけではある程度までしか客を魅了できない。観客同様、出演者も30~90秒もすれば、裸であることを忘れてしまう。裸でいろいろなことを言っても、それからはジョークが欲しくなる。私は良いジョークを言う優れたコメディアンを集めていると思うよ」
出演者の1人は「正直なところ、これは少し解放感があると思う。裸なのに、全く性的なものではないから」と、ショーの魅力を語った。
また別の出演者は「服は、あなたが他人からどう見られたいかを表している。だが裸のショーは、本当の自分の姿だ。このステージに立って、私は最も正直に仕事をしたと思う」と、話していた。