スターダムの若手主体興行「NEW BLOOD 12」が25日、都内の品川インターシティホールで行われ、新人の玖麗(くらら)さやかが、八神蘭奈(やがみ・らんな)と同日デビューを果たした。玖麗は上谷沙弥を相手に8分27秒、スタークラッシャーからの片エビ固めで敗れたものの、今後を期待させる懸命な姿を披露した。
元ワンダー王者を相手に食らいついた。玖麗はヘッドロックの応酬からドロップキックで先制。エルボーの応酬では幾度も打ち倒されたが立ち上がり、馬乗りでエルボーを連打する意地も見せた。最後は上谷の厳しい蹴り技からのスタークラッシャーで力尽きたものの、観客からの温かい拍手に包まれた。
引き上げた玖麗は「プロレスラーとして第一歩を踏み出しました。私が夢をかなえる姿を最後まで見届けてください」と頭を下げた。
玖麗は2000年6月20日生まれ、愛知県豊橋市出身の23歳。160センチ、56キロ。昨年夏に知人に紹介されたスターダムでプロレスを初観戦し、心を奪われた。「同年代の女性が全力で戦っている姿に感動しました。私もやりたい。運命を感じました」。昨年10月に武蔵野の森総合スポーツプラザで行われた5★STAR GP決勝戦を会場で観戦し、「観客でいる場合じゃない」と入門を志願。今年3月から練習生として体を鍛え、10月にプロテスト合格を果たした。
美術系の高校を卒業し、アートの世界を志していた。スポーツ歴はなく「最初は体の使い方が分からなかった。プロレスラーの動きを習得するのに苦労しました」というが、この日はスワンダイブ式でリングインしドロップキックを放つなど身軽さを披露。両親が観戦に訪れたデビュー戦を終え「生きて帰ってこられた」と感慨を抱いた。飛び技を駆使した華やかなプロレスが理想という。
来年1月3日の年明け横浜武道館大会では、新人王決定トーナメントに同期の弓月、八神蘭奈、初戦で激突するHANAKOと臨む。「HANAKOとは差をつけられていますが、ガッツを見せて番狂わせを狙います」と意気込んだ。「同期の中で最初にベルトを巻きたい」と目標を掲げていた。