落語家の立川志らくが自身のX(旧ツイッター)で、24日に開催された漫才日本一決定戦「M-1グランプリ」の寸評をつづった。志らくは昨年まで同大会の決勝審査員を5年連続で務め、今月11日に勇退が発表された。後任は漫才師の海原ともこが就任した。
志らくは「今家に着き、M1を観る。フースーヤというコンビが大騒ぎ。殆ど意味がわからないが爆発的に受けている。凄い。スタジオの落ち着いた空間で見たい。2人でぶっ飛んでる。どうかしている。それでウケている。トムブラウンはどうだったんだろう」と最初に投稿。この日の敗者復活戦終盤に登場し、惜しくも敗退したコンビ名を挙げたのを皮切りに、次々に寸評をアップした。
さや香、ヤーレンズ、令和ロマンが進出した最終決戦の時間には「令和ロマンかな」と投稿。自身の基準でも優勝した令和ロマンを推していた。続けて「令和ロマンおめでとう。第一ステージで私が好きだったのは真空ジェシカ。ファイナルステージでは令和ロマン。海原ともこさんの落ち着いた審査員も良かったね。M1はテレビで無責任に見てるのが本当に楽しい」と続けた。
さらに「M1のファーストステージの審査員の得点をぼんやりと見ていて気がついた。私が審査員をしていたら真空ジェシカには高得点をつけているから間違いなくファイナルに進めた。でも令和ロマンは松本さんと同じくらいの得点だから今度は令和ロマンがファイナルには進めなかった。つまり決勝のあの面白いネタを聞けなかったことになる。つくづく審査員って怖い仕事だ。令和ロマンにとっては私が審査員でなくてよかったし、真空ジェシカは志らくが審査員だったら優勝してたかもしれない。とにかくみんなお疲れ様。かっこよかったぞ。落語界もこのくらいの才能が集まってくればいいのに。というか若手落語家はなぜR1に出場しようとしないんだ。私が三十代だったらM1、R1、キングオブコント全部に挑戦している。と最後は落語界への愚痴」と、漫才界をうらやむとともに、落語界に苦言を呈した。
寸評はまだまだ続き、18年決勝で97点の高得点をつけ、〝志らく=型破り好き〟を印象づけたトム・ブラウンにも言及。同コンビは同日の敗者復活戦で敗退していた。
「TVerでようやく予選のトムブラウンを見る事が出来た。もはやアートです。2人は狂人。なのに善人である事は明白で、気持ち悪いが可愛い。キモ可愛いというのとは違う。キモ可愛いは気持ち悪いけど可愛い、であるが、トムブラウンは可愛過ぎて気持ち悪いのだ。歳を取ったらどんな感じになるのだろうか。やはりずっと見続けたい」と、改めて高く評価した。
これで終わりかと思いきや、最後は最終決戦で1票も奪えなかったさや香に言及。シュールな笑いを展開したネタ「見せ算」に寸評を寄せた。
「M1の感想、もうちょっとだけお付き合い下さい。優勝候補のさや香。正統派漫才には私は比較的厳しい。なにしろ比べてしまうのが、やすきよとかダイマルラケットとか夢路いとし・喜味こいしの名人芸だから。でも今回のさや香は良かった。特に決勝。山田邦子さんは良くなかったと言って彼らを笑いで救ったが、過去4回の中で私は1番好きだ。あれを予選でやって、決勝でホームステイネタなら多分優勝。つまり彼らは予選は客を対象に、決勝はプロ(審査員)を対象にネタをやった。勿論どちらもプロが判断するんだけど。意識の問題です。私も師匠が楽屋にいると師匠に聴かせるために落語をやったもんだ。決勝ではプロ相手にネタをやった為盛り上がりにかけてしまったということ。決勝はいかに盛り上がるかぎ鍵。明日のスターが誕生する瞬間だからね。でもあのネタを決勝に持ってきたさや香には拍手を送ります」と、さや香の志の高さをたたえていた。
志らくの多数の投稿に、多くのコメントが寄せられ、審査員復帰を希望する声も多く見られた。