超貴重“双頭”のニホンマムシ、短い生涯を終える 11月上旬に特設展示で話題 生存状態で公開「大きな意義」

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部
 ジャパン・スネークセンター公式X(@Hebiken_JSC)より
 ジャパン・スネークセンター公式X(@Hebiken_JSC)より

 日本蛇族学術研究所が運営するジャパン・スネークセンター(JSC)が19日、公式X(@Hebiken_JSC)を更新。同施設で保護していた、非常に珍しい”双頭”のニホンマムシが「短い生涯を終えました」と報告した。

 「結論から書きますと、双頭のニホンマムシは先日の採餌から5日後に、排便が無いまま短い生涯を終えました」と報告。同施設では野生で見つかった”双頭”のニホンマムシを保護。10月31日の投稿では、写真とともに「生存している状態がとても貴重」「採餌・成長をしてくれるかどうかは半分運」などとつづっていた。また、11月3~6日まで緊急特設展示を実施し、大きな反響を呼んでいた。

 投稿によると、現在遺体は「CT、レントゲン、エコーなどあらゆるデータを記録した上で病理解剖まで完了し、3Dデータの構築と標本化に向けて動いている段階」だという。現時点で「左頭部の口腔内に奇形が見られ、気道が肉片でほぼ塞がっていたことと、それにより舌を出し入れする事は出来ず、呼吸はほぼ出来ていなかった、あるいは不可能であった」と思われることが判明。また、体内に残された糞便の観察から「かなりの軟便であったため、消化というよりは吸収の方に難があった可能性」が考えられるという。

 双頭のニホンマムシが緊急来園してから即時公開に踏み切った判断については「賛否両論あるかと思います」とした上で「双頭という奇形の特性を熟慮した上で、興行としてでは無く、多くの方々にニホンマムシの生態や双頭というものの特性を正しく知って頂く機会を作る事が出来たということに関しては、大きな意義を感じております」とした。また、「もっと長生きさせられる可能性が無かったかと言えば、もちろん無いとは言いきれませんが、今回の公開によって世間の皆様に与える事ができたヘビに対するポジティブな影響を考えれば、悪い判断では無かったのではと今は考えております」とつづった。

 数日間の展示で生きている姿をその目で見ることができた来園者に向けては「一生の思い出として大事にして頂きながら、今後の人生において、ヘビという動物への興味関心を少しでも強めて頂けたら幸いです」と思いを寄せた。

 今後も貴重な検体として学術的に価値のある利用を続けるといい、「今回の双頭マムシが改めて皆様の前に出てくる機会は、標本での姿となる予定」としている。

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