AIグラドル「藤原れい」写真集発売、だまされた?当初はAIを隠してフォロワー増、その理由とは

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部
藤原れい写真集「I’m AI: AI and Elegance: A Symbiotic Journey」
藤原れい写真集「I’m AI: AI and Elegance: A Symbiotic Journey」

 サイバーエージェント出身の2人で運営するWeb広告代理店のLesが14日、独自に開発したAIグラビアアイドル「藤原れい」の写真集「I’m AI: AI and Elegance: A Symbiotic Journey」を発売した。同社はAIアイドル誕生の背景、目標、夢を次のように説明した。

 「藤原れい」はAIであることを隠して今年5月にインスタグラムデビュー。1か月半で1万フォロワーを獲得した。フォロワーや閲覧者のほとんどはAIであることに気付かず応援コメントやDMが相次ぎ、インスタグラマーとして美容クリニックやパーソナルトレーニングなどのモデル依頼、芸能事務所やラウンジなどからのスカウト等も続いたという。

 同社は「このような状態でAIであることを発表するのは、批判の的になりかねないことも承知の上です。それでも今回、AIであることを隠したのは『社会への警鐘』という側面があります。今後、AIの技術が上がるにつれ、悪用されたり、犯罪に使われたりする可能性も十分あります。AIの魅力だけでなく、『騙されるという危険性』も伝えていかなければいけないというメッセージも込めて、あえてAIであることを隠した発信を始めました」と説明した。

 同社が国内の広告、デザインを制作・監修する中、AIの生成やアルゴリズムの開発・設計に携わることが多く、AIの飛躍的な向上を受け、AIが人間のように活躍する未来が近づいていることを確信。AIによるグラビアアイドルの開発に着手した。複数のキャラクターを作成するのではなく、「藤原れい」という同一のキャラクターの開発を続けてAIに学習させることで、より人間に近いクオリティを目指している。

 同社は。「AI生成スキルの向上はめざましく、知識さえあれば誰でも簡単にアイドルやモデルを誕生させられるようになりました」と現状を説明し、他のAIモデルとの違いについては「海外進出を目指していること」を挙げた。AI翻訳を駆使し、英語や中国語など外国語での発信を実施。また、SNSのアクティブ時間が長い国を中心に広告配信を行うなど、既に海外進出を視野に入れた活動を始めている。

 その上で「より人間に近いクオリティに仕上げるには、AIによる画像生成だけでなく、デザインの知識を持った上で修正し、違和感のないレベルまで整える必要があります。日本人ならではの緻密な技術と感性を生かし『日本が世界に誇る新たな産業』のひとつとして発信をしていきたいと考えています」と信念を掲げた。

 今回の写真集はAmazonのKindleブックペーパーにて発売。今後はLesが手がけるスキンケア商品のモデルに就任予定という。取引先企業の商品・サービスのモデルやアンバサダーとして活動する可能性も浮上している。

 将来的な目標も挙げた。「このように『藤原れい』のデータを可能な限り多く集めて学習させることで、将来的には『動画コンテンツ』として発信していくことも考えて開発を進めています。まずはバーチャル空間(メタバースやWeb3)に登場し、仮想空間に実在する人物のように動きだしたり、会話をしたり、ということを想定しています。将来的には、ファッションショーのランウェイに登場する、ということも夢ではないと考えております。今回の写真集発売はその『第一歩』です」と夢を言葉にした。

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