俳優シルベスター・スタローン(77)は、自分が作ったキャラクターが「大嫌い」だと友人から涙ながらに言われたことをきっかけに『ロッキー』を書き直したことを明かした。
1975年に脚本と主演を務めたボクシング映画のおかげで一躍有名になったスタローンだが、マーティン・スコセッシ監督の『ミーン・ストリート』からインスピレーションを得て、ロッキー・バルボアをチンピラ風のクラブファイターで借金取りという当初の設定に固執していたら、状況は大きく変わっていたかもしれないとしている。
ネットフリックスの新作ドキュメンタリー『スライ』の中で、スタローンは、友人が自分の脚本を読み、主人公が残酷すぎて観客が関心を持てないだろうと涙ながらに言ってきた後、どう見直したかを明かしている。
「彼女は『ロッキーが大嫌い。残酷だわ。人をぶん殴る。倒しちゃうのよ』って言ったんだ」「僕は『途中で止めたらどう?あともう少しのところで。それが彼の仕事だし、できたかもしれないのに止める』と言ったら、『それ良い』って」「『彼にガールフレンドとかがいたら?』『そうよ、良いわね』ということで、『ガールフレンド。ナイス』という風に書き始めたんだ」
スタローンはまた、映画『ロッキー4/炎の友情』の格闘シーンの撮影について、こう話している。「ドルフ・ラングレンにこてんぱんにやられたよ」「その夜の内に、心臓が腫れ始めた。胸を殴られていたんだ。血圧が260まで上がり、死んで天使と話をするだろうと思った」「気がつくと集中治療室にいて、修道女に囲まれていた。『よし、これで幕引きだ』と思ったね」
その後スタローンは、「もう1ラウンド」できることを祈りつつ9日間入院したそうだ。ドルフは以前この件について、単に「命令に従っていただけ」と冗談を飛ばし「命令に従っただけだ。彼はボスだったから言われた通りにした。LAに戻ってきたらプロデューサーが『やあドルフ、2週間休みだ。スライ(スタローンのあだ名)が入院したよ』ってさ」と話していた。