性的同意アプリ「キロク」 脅迫などの〝悪用〟対策は?「検討します」→2日後、配信延期を発表

松田 和城 松田 和城
性的同意アプリ「キロク」 ※画面は開発中のもの
性的同意アプリ「キロク」 ※画面は開発中のもの

 性的同意の認識相違を防ぐため、端末で性行為の同意確認を行える弁護士監修のアプリ「キロク」の配信延期が23日、発表された。誤入力や強制的な同意操作への対応、セキュリティ強化のためで2023年内に配信予定だという。

 「キロク」は7月13日から性犯罪に関する刑法改正に伴う、「不同意わいせつ罪(刑法176条)」「不同意性交等罪(刑法177条)」の新設をきっかけに開発。「本当は同意していなかった」という相違を防ぎつつ、その場の雰囲気を壊さず性行為の同意をできるアプリを目指した。同意した記録はアプリ内で蓄積され証拠として使用できる。

 16日の配信発表からXを中心に話題となり「双方を守るという観点からしたらいいアイデア」「もし過去の同意履歴をみられたら恥ずかしい」など賛否の声があがっていた。

 特に「意識が混濁している間や脅されたりしたらどうするのか」などアプリの〝悪用〟を懸念する声が多く、マッチング事業などを手がける地方商社のアプリ「キロク」開発チーム担当者は21日、よろず~ニュースの取材に「同意の強制などに対する対策機能を検討しております」「ありがたいことに先行登録も多く、そのためのデータのセキュリティー強化を対策しております」などと答えていた。検討の結果、配信延期という判断に至ったと見られる。

 「キロク」開発チームは23日、プレスリリースで「いただきました意見を少しでもシステムに反映出来るようリリース日を2023年内中に延期し、お問い合わせの増大に対応出来るよう、セキュリティ強化を含め皆様が安心して使用できる内容であると確認が取れるよう調整中でございます」と報告した。

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