渡辺美里デビュー38周年「歌うのは簡単でないと改めて知ります」心境にも変化「日々精進しなければ」

中江 寿 中江 寿

 今年デビュー38周年を迎えた歌手の渡辺美里がこのほど、大阪市内でよろず~ニュースのインタビューに応じた。アルバム制作、全国ツアーなど精力的に活動を続ける彼女が、歌手としての思い、交流関係、歌に対する心境の変化について語った。

 ―1985年にデビュー。これまでの活動を振り返って。

 「元号から言っても昭和、平成、令和と三つにわたって…。長いといえば長いですよね。いろんな時代で自分がやりたい音楽ができる。望み通りにできている時ばかりではないですけど、これは!ということを仕事にできて、好きなことだから続けられるのが一番の要因ですね」

 ―今年5月には自身初のデュエットアルバム「Face to Face~うたの木~」を発売した。

 「いつかやりたいなあと思っていまして。人と会っても良さげな雰囲気になりましたし、まさに顔と顔、目と目を合わせて同じものをつくりたいなあと」

 ―泉谷しげる、大江千里、川村結花、小堺一機、真藤敬利、世良公則、西寺郷太(NONA REEVES)、増子直純(怒髪天)、光田健一、山口智充、LiLiCoと多彩な顔ぶれとのコラボレーションによるカバー曲。選曲、人選で悩むことは。

 「この曲を歌いたい、この曲だったら誰がいいとか、トントンと自分の中に浮かんできました。オファーをして受けて頂けるか分からなかったですけど、みなさんがOKしてくれて。持つべきものは、よき友人だなあと思いました」

 ―プライベートでも交流があるようで。

 「この間、泉谷さん、小堺さん、ぐっさん(山口智充)と4人でご飯を食べました『今度行きましょうって』なったら、『今度』は実行しないとはじまらないので、私から誘いました。自分が知らない世界をいっぱい教えてもらう面白さがありますね」

 ―いろんな刺激を受ける。

 「ぼーっとしていたら、そういう出会いも通り過ぎてしまうと思うので。作品につなげていくこともいいし、作品と関係のないところにつなげていくのもいいのでは。いい出会いができる人でありたいなあと思います」

 ―9月からはライブ「うたの木 GROW」で全国を回る。

 「1999年に『うたの木』と名前をつけて始めて、いろんなタイプの歌に挑戦して、それぞれにできる音がやれてきたと思うんです。気がつけば四半世紀。木も結構、大きくなりますし、今回GROWとしたのも成長の過程にあるという意味で。カバーだけでなく、自分自身のオリジナル曲もやろうかと思います」

 ―キャリアを重ねて歌に対する心境の変化とか。

 「ありますね。好きで歌ってきましたけど、プロフェッショナルとして、人様に届ける歌を歌うにはきちっと準備しないといけないと。日々精進しなければいけないと思いますね」

 ―普段から気を付けていることは。

 「ボイストレーニングはもちろんありますし、次の公演に向けて体の栄養と心の栄養を取って休むのも大事かと。サボっていてもある程度は歌えるとは思うんですけど、2時間半なり3時間なりのライブで自分の納得できるパフォーマンスをするには、ノドや筋肉を鍛えたり、やっぱり鍛錬しないと、〝瓦は割れない〟です」

 ―具体的には。

 「筋肉を付けすぎるのも良くないみたいなので、なるべく歩くようにしています。あと、体が必要だと思うものを食べることですね。無性に肉が食べたいとか、野菜が足りていないとか、お魚のタンパク質が食べたいとか、そういう声が聞こえるようになりました。若い時は何でもいいからとりあえず食べちゃえとか、寝なくても乗り切れたとかありましたけど、そうじゃだめだと。歌うのは簡単ではないと、改めて知ります」

 ◆渡辺美里(わたなべ・みさと)1966年7月12日生まれ、56歳。京都府出身。1985年デビュー。翌1986年「MyRevolution」がチャート1位となり、同年8月、女性ソロシンガーとして日本初となるスタジアム公演を西武スタジアムで成功させ、2005年まで20年続けた。2006年からは、毎年「美里祭り」と題してさまざまな都市でライブを開催。ラジオのパーソナリティー、ナレーション、ミュージカル出演など、さまざまな分野にも挑戦している。

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