5月25日にオープンした「渋谷ネオ焼肉・ホルモン ふたご」(渋谷区内)の異色メニュー「スマホ断食サワー」は、スマホを手放さないと映えず、映えたら映えたでスマホがないので撮影できない。そんな本末転倒さが注目を集め、発売前からネットで「意味分からなくて好き」「ガシャンって倒す未来しか見えねぇ」と話題を呼んだ。発売から1カ月余り、その売れ行きや懸念されていたグラスの転倒、今後の展開などを聞いた。
Z世代向けに開発された同メニューは、グラスの底が半分かけており、単体では自立できない仕様。かけた部分にスマホを挟むことでようやく自立する。また、スマホのライトを付けることでドリンクが光り輝き、映える光景が広がるのだが…。ネットでは「その“映え”をどうやって撮影すんだよ」「映えるのに写真撮れないというもどかしさ」「意味分からなくて好き」「これ考えた人ヤバいな、もちろん良い意味で」などの声が寄せられた。
発売から1カ月余り。同店舗を運営する株式会社FTG Companyの担当者に売れ行きを聞くと、1日平均5杯ほどの注文があり、Z世代だけでなく30~40代からの注文も多いとのこと。「テーブル全員で注文するのではなく、話のネタや興味で1杯頼んでみて盛り上がるという感じ」と傾向を明かした。
照らされたサワーに歓声をあげる、グラスの構造に思わず笑ってしまうなど反応はさまざま。ただ「実際にご注文された方は、皆さん楽しんでくださっています」と手応えを感じている。また「実際に飲食しながら無意識にスマホを触っているので(スマホが触れなくて)落ち着かないという方もいらっしゃいます」とスマホ断食体験に困惑気味の声もあるという。
一方で、発売前には「こぼす人続出しそう」「ガシャンって倒す未来しか見えねぇ」と転倒を懸念する声もあった。転倒防止用の半月型コースターも提供しているが、同担当者はオープンから4件ほど転倒があったことを明かし、「底がないことを忘れていて、飲みながらスマホを触り、そのままテーブルに置いたケース」と説明した。
また「結露でぶっ壊れたりしないよね」「水滴でスマホがぬれるのは抵抗があるかも…」などの声もあったが、スマホ用携帯袋の用意もあるため、現在にいたるまで水損の事例はないという。
当初はサワーの中にゼリーや魚グミを入れるなど、Z世代向けに“映え”を推す方向性だったが、今後はビールなど各種ドリンクをスマホ断食グラスで提供予定。より多くの層にスマホ断食を体験してもらう方向性で進めていくという。