ヘンリー王子が、警視庁は「富裕層のための私的なボディーガード」ではないと言われたという。警視庁による王室向けの警護要請を却下した英内務省の決定に不服を申し立てた王子に対し、政府と警察側は、専門の警護官は公共の利益のためにのみ「自らを危険な状況に置く」べきだと話している。
英国訪問時に、現役王族と「同等の」個人的な警護は受けられないと言われたことを受けて、ヘンリー王子は非現役の王族として自身の警護費用を支払う意向を示している。
16日の予備審問では、本格的な裁判が行われるかどうかが決定されるが、王子の弁護士は、1996年の警察法の下では、私人が特別な警備サービスの費用を支払うことができると主張した。
しかし内務大臣の弁護士は「特別な警備サービスの概念には、富裕層の私的なボディーガードとしての警察官の使用が含まれるという提案に法的権限はない」と話している。
またロンドン警視庁のマシュー・バット勅選弁護士は、「警護を行う警察官は、独特のリスクに身をさらすことになります。そのようなリスクについては、あまり想像力を必要としないでしょう」「公共の利益のためではなく、警察機関が金銭的な補償を受けられるという理由で、警察官がそのレベルのリスクに身をさらすことを期待されるのは正しいことではありません」と語った。
ヘンリー王子は軍隊に所属していた時にタリバン兵を25人殺害したと回顧録『スペア』の中で告白したことから安全保障上の懸念を引き起こしていた。昨年、英国の元テロ対策警察長官は、サセックス公爵夫妻に対して確かな脅迫があったことを明らかにしている。
今週、王子の弁護団は高等裁判所に、内務省が王室・公人警護執行委員会(RAVEC)に対し、「RAVECが警護を正当化できないと判断した個人が警護を受けることを許可し、その警備費用を公金資金に償還すべきか」という「原則的な問題」を提起したと語った。