高梨沙羅が髪形、髪色の強制は「個性を殺してしまう」 批判的な意見には「自分の気持ちが一番大事。やるのは自分」

山本 鋼平 山本 鋼平
「髪色自由化プロジェクト」の発足発表会に登場した高梨沙羅=都内
「髪色自由化プロジェクト」の発足発表会に登場した高梨沙羅=都内

 ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(26)が15日、都内でスポーツ界の髪色規定、スポーツ選手に向けられる容姿に対する意見、髪色や自分の好きなスタイルを表現することで前向きになれた経験について語った。

 この日はヘアカラー商品を扱う日本ロレアル社による「髪色自由化プロジェクト」の発表会見に、同企画のサポーターとして参加。7割の社会人が社内規定や暗黙のルールにより髪色に不自由を感じているという同社による調査結果を踏まえ、すべての人が自分らしい髪色で働ける社会を目指す取り組み。高梨は「個性を大切にする人は素敵だと思うので、私自身もそういう人になりたい」と語った。

 高梨は20歳を前にメイク、ファッションへの意識が高まった。独自のセンスを発揮した画像をSNSに投稿し、話題を集めることも多い。外見を変えることでモチベーションが向上し、競技にもつながったという。

 一方、高校生ではスポーツ活動において髪色は当然、髪形への不自由さも依然として残る。高梨は「なかなか難しいところではありますが、私個人としては、髪型ひとつで、印象や見た目的な部分で大きく変わってしまい、私もボブの時とロングで別人に見えるみたいなので、髪型が強制されてしまうのは、その子の個性が消えてしまうから寂しいな、と思います」と意見を述べた。競技への集中を妨げる、という声については「本当に支障があるのなら違うところで工夫をすればいいと思うし、私の中ではモチベーションを上げるため、体と同じようにメンタルを整えていく部分ですごく大事。ジャンプはメンタルがすごく大事なので、自分の機嫌を自分でとるため、髪形を整えたい」と答えた。

 高梨の髪形、メイク、ファションなどへの意識は、批判的な意見にさらされることも多い。「全く気にならないと言えばウソになるかもしれないけれど、あまり気にならなかったですね。自分の気持ちが一番大事なので。競技をしていく中では、周りの人のご意見を大事にしたいと思うんですけど、結局やるのは自分。なりたい自分になっていくっていうのは大事なこと、自分の個性は殺したくないなとは思う」と語った。

 この日はカリスマ美容師として知られる朝日光輝氏によって整えられた、ツヤが鮮やかな栗色を基調としたグラデーションヘアーで登場。「(夏の強い日差しに考慮して)髪を明るくしたくはないけれど、透明感があって、ブリーチをしていて痛んでいるけれどキレイにまとめてもらった。難しい注文だったと思います」と振り返りつつ、「髪が整うとモチベーションも高くなる」と大満足の様子だった。普段のカジュアルな装いから一変、白色の落ち着いたドレス姿で登場。自身のロングヘアに何度も手をかけ、うれしそうな笑顔を見せた。

 昨季は女子のW杯が始まってから12季目で初めて優勝がないまま終了。左脚の故障にも苦しんだ。「なかなか自分の思ったような流れをつかむことができなかったシーズンでしたが、たくさんの学びがあった」と振り返った。今季に向けては、プロジェクトの趣旨を踏まえ「私は髪が明るい方がモチベーション上がる。暗い髪だと気持ちも暗くなる。私も毛先にワンポイントカラーを入れたりしたい。次の五輪に向けて髪色もそうですが、ジャンプスタイルも確立したい」と決意を語った。ちなみに高梨の好きな色はブルーだという。

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