東京進出は「1ミリもない」 祇園が目指すものとは 偉大な先輩の存在「デカいです。一番の理想」

藤丸 紘生 藤丸 紘生
GWイベント「よしもと放課後クラブ in 万博記念公園」に出演する祇園・木﨑太郎(左)と櫻井健一朗
GWイベント「よしもと放課後クラブ in 万博記念公園」に出演する祇園・木﨑太郎(左)と櫻井健一朗

 お笑いコンビ・祇園が吉本興業のGWイベント「よしもと放課後クラブ in 万博記念公園」(5月5~6日、大阪・万博記念公園)に出演する。同じ劇場でしのぎを削った後輩たちが東京に進出した春、大阪で“漫才師”として歩む2人に、背中を追う先輩の存在、これからの展望を聞いた。

 祇園の2023年は、大きな節目となる。M-1グランプリはラストイヤーで、自身初の4都市ツアーを通してネタを研ぎ澄ませていく。櫻井健一朗(38)は「M-1は特別ですね。『あの時こうしといたら良かった』と将来、思わないでいい1年にしたいなぁとは思います」と静かに闘志を燃やしている。

 また、ロングコートダディ、ニッポンの社長など6組が3月31日をもって「よしもと漫才劇場」を卒業し、東京に進出。同劇場所属の2人にとっては、後輩6組の門出を見送ったかたちとなった。しかし、木﨑太郎(37)は「(東京進出は)1ミリもないですね。こっちでやりたいっていう思いの方が強いんで、(後輩が)行ったから焦るとかも全くないです」と揺るがない。

 祇園と東京進出。「自ら行きたいと思ったのは、ほぼほぼないですね」と木﨑。東京での仕事について、櫻井は「難しかったですね。(大阪と)同じことをやっているのに、こんなに反応が違うかっていうのはありました」と回想し、「(後輩も)何回かは失敗して肩を落として帰る日があるんやろうなって思ったら、みんな上手にやってて。それを見たら、あかんかったんかなって思いますね。僕ら本当にいい結果、出せなかったんで」と語った。

 2人が「ネタを頑張らないと話にならない」と決意を固めて残った大阪。そこには追い続ける背中がある。木﨑は「やっぱり、やすともさんっていう存在はデカいですね。漫才もちゃんと大切にして、TVも出る。一番の理想です」と打ち明けた。櫻井も「普段の姿勢もめっちゃかっこよくて、まだそんな強い気持ちを持ってはるんやって感動する部分がある」と続けた。

 「海原やすよ ともこ」との縁は、5年ほど前に担当マネジャーが同じだったことがきっかけ。櫻井は2人にかけられた一言が印象に残っているという。

 「僕らみたいな若手に対して『私たちがもし変なことしてるなとか、違うなってことしたら絶対言ってな』って言うてくれはったんですよ。信頼してくださっているようで嬉しかったし、でーんと構えてもいいのにその姿勢でまだやられているのがすごい」

 木﨑もその飽くなき姿勢には舌を巻く。「『師匠やから出番があるっていうのはおかしい。バトルしようや!』って。バトルしたくないって思ってる自分が恥ずかしくなるような」と苦笑いを見せた。

 理想の背中を追い求め、毎月新ネタを作り続ける生活を7~8年続けている。櫻井は「ネタをやらなくなるのが嫌で、いろいろ理由はあると思うんですけど、ネタをやらなくなったら、芸人って言うたらあかんのちゃうかなっていうのがある」と信念を持っている。

 祇園の最終目標はなんばグランド花月(NGK)のまねき看板に名を刻むこと。木﨑は「やすともさん、中川家さんのお背中を見てたら憧れますね。あの看板になりたいですね」と意気込んだ。

 「海原やすよ ともこ」とともにNGKに並んだ「祇園」のまねき看板。その瞬間をファンの誰もが待っている。

 ◆祇園 木﨑太郎(きざき・たろう=1985年12月27日、大阪府出身)と櫻井健一朗(さくらい・けんいちろう=1984年6月18日、京都府出身)によるコンビ。吉本興業所属。ともにNSC大阪校28期で05年結成、一度解散を経て08年4月に再結成。18年に「第53回上方漫才大賞」新人賞受賞。20年に「M-1グランプリ」準決勝進出。

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