職場の「WBC論議」で険悪な雰囲気に!「くだらない」発言に反論、打開策は第三者の「マヌケ質問」

石原 壮一郎 石原 壮一郎
 3回、3ランを放ち、ヌートバー(右)と「ペッパーミル・パフォーマンス」を決める大谷=6日
 3回、3ランを放ち、ヌートバー(右)と「ペッパーミル・パフォーマンス」を決める大谷=6日

 野球の国際イベント「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」の1次リーグB組を4戦全勝の首位で通過した日本は16日、東京ドームでの準々決勝でA組2位のイタリアと激突する。日本の先発予定は大谷翔平投手(エンゼルス)で、準決勝(米マイアミ)進出への期待が高まる。そんなWBCが格好の雑談ネタになっている職場も少なくないだろうが、何気ない一言から思わぬ険悪な雰囲気になることもある。そんな時、あなたならどうする?「大人研究」のパイオニアで『大人養成講座』など多くの著書を世に送り出してきたコラムニストの石原壮一郎氏が打開策をお伝えする。

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 【今回のピンチ】

 同僚が「WBCなんてくだらないよ」と毒を吐いたら、野球好きの上司が「熱中してる俺もくだらないってことか?」とケンカ腰で反撃した。険悪な雰囲気を変えたい……。

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 WBCも、いよいよ決勝ラウンド。豪華で華やかな大会ですが、開催の意義や開催時期などへの批判の声も少なくありません。

 だとしても、大会の真っ最中にわざわざ毒を吐くのは、なかなか残念な所業です。一方、ケンカ腰で反撃する側も、大人げなさではいい勝負。なごやかな雑談の場が、一気に険悪な雰囲気になってしまいました。

 ここでピンチに陥るのは、回りの第三者です。このまま二人が険悪な関係になったら、面倒で仕方ありません。雰囲気を変えて、オフィスの平和を保ちたいところ。

「まあまあ、二人とも熱くならないで」と直球でなだめても、すっかり熱くなっている二人は「熱くなんてなってないよ!」と、さらにエキサイトしてしまうでしょう。

 上司の味方をして、「くだらなくないよ!」と同僚に反論したら、ますますムキになって熱弁をふるいそうです。言うまでもなく、同僚の味方をして上司に意見するという選択肢は、サラリーマンとしてあり得ません。

 ここは、二人をいかに脱力させるかが勝負。何事もなかったような口調で、「ところで、オータニサーンは日本チームで出てるんですよね」と、極端にマヌケな質問をしてみましょう。たぶん二人は、熱くなっているのがバカバカしくなって落ち着いてくれます。

 あるいは「WBCで思い出したけど、トイレのWCって何の略でしたっけ?」と、ふたりに問いかけてみるのも一興(ちなみに正解は「water closet」)。ヒートアップした状態に、まさに水を差すことができます。

 思惑どおり和やかな雰囲気になれば、それでよし。ギクシャクした感じが払しょくできなかったとしても、努力は無駄にはなりません。事の成り行きをこっそりうかがっている他の同僚たちは、心の中で「ナイスプレー!」と拍手を送ってくれるはず。

 日本代表には日本代表の戦いがあり、私たちには私たちの戦いがあります。

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