ぱんちゃん璃奈 再起戦でファンの声援に「ヤジ、批判が当たり前と思っていた。温かすぎた」

山本 鋼平 山本 鋼平
試合後に取材対応するぱんちゃん璃奈=東京・国立代々木第二体育館
試合後に取材対応するぱんちゃん璃奈=東京・国立代々木第二体育館

 昨年12月に詐欺の疑いで兵庫県警垂水署に逮捕され、釈放後の2月に謝罪と復帰会見を行ったぱんちゃん璃奈(28)が5日、KNOCK OUT2023 SUPER BOUT“BLAZE”(東京・代々木競技場第2体育館)で人気格闘コンテンツBreaking Downの〝土木ネキ〟こと坂本瑠華(24)との53キロ契約体重エキシビションマッチ(2分2回、パンチのみ特別ルール)に臨み、ドローに終わった。

 勝敗決定および判定はないものの、続行不可能の場合は試合終了となる〝KO決着〟を認めるルール。ぱんちゃんは終始相手を圧倒するもダウンを奪うには至らなかった。試合後はリング上で改めて謝罪を行い、ファンからは「お帰り」「頑張れ」などと励まされた。

 大会後のコメントブースで、ぱんちゃんは「ヤジ、批判が当たり前と思っていたけれど、温かすぎてありがたかったです」と感謝を口にした。被害者とは直接謝罪したという。「その方々には毎日言葉をかけてもらって、今日も応援に来てくれました」と話すと、大粒の涙を流し、改めて自らの愚行を悔やんだ。

 相手の坂本は「ぱんちゃんと戦ったら怖いものはない。度胸が尽きました」と話し、今後はBreaking Down参戦とプロ活動を並行させる意向を示した。リング上のマイクでは、ぱんちゃんがベルトを取り戻した後に、挑戦者となることを誓っていた。「きょうは夢がかなったと思った。でもエキシビションなんで半分しか夢がかなっていない」と、大舞台での〝再戦〟を目標に掲げた。

 かつて対戦要求を受けた際に「レベルが違う」と見下した坂本と拳を交え、エールも受けたことでぱんちゃんの心境も変わった。「本当に悪かったなと思います。(坂本は)子育て、仕事、練習を頑張っている。Breaking Downの出場者は『素人』と言われますが、プロを目指している選手もいるので、一概に『素人』とは言えないなと思いました」と語った。

 故障明けの体は万全ではなく、得意のキックを封印したボクシングルールでの再起戦だった。次はキックボクシングでの試合復帰を目指す。「やっぱり蹴るぱんちゃんを見せたいです」と先を見据えた。

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