スティーヴン・スピルバーグ監督(76)は、『ハリー・ポッター』を断ったことに後悔はしていないという。J・K・ローリングの小説を基にした人気シリーズ第1作目となる『ハリー・ポッターと賢者の石』の製作オファーがあったものの、スピルバーグは撮影セットでよりも家族と一緒に時間を過ごしたかったため断ったのだそうだ。
前妻エイミー・アーヴィングと現在の妻ケイト・キャプショーとの間に7人の子供を持つスピルバーグ監督。リライアンス・エンターテイメントとのインタビューで映画監督のS・S・ラージャマウリにこう語っている。
「芸術と家族の間の葛藤によって引き裂かれるという個人的な体験は、私がすでに現役の映画監督として地位を確立した後に起こったことなんだ」
「ケイトと私は家庭を築き始め、子供も生まれていた。4~5カ月間、毎日家族に会えない外国に移動するような仕事を受けるという選択をしなければならなかった」
またスピルバーグ監督は『ハリー・ポッター』は家庭の事情で断ったいくつかのプロジェクトのうちの1つに過ぎないと説明する。「作らないことにした映画もいくつかあるんだ。最初の『ハリー・ポッター』を断ったのは、基本的に幼い子供たちが成長する時期の1年半を家族と過ごすためだった」「だから、家族と一緒にいるために、素晴らしいシリーズを犠牲にしたんだ。でも今振り返ってみて、家族と一緒にいられて本当によかったと思っているよ」
最終的にはクリス・コロンバスが監督を担うこととなった同作について、以前スピルバーグは「子供向けの映画」を作る準備が出来ていなかったと説明していた。スピルバーグは2012年にこう語っている。「子供向けの映画を作る準備が出来ていないと感じただけで、私が降板した時には、子供たちは私のことをクレイジーだと思っていたよ。その頃には本が人気になっていたのでね。この作品が社会現象化することは分かっていたんだ」