モータウンのレジェンド的存在だった歌手のバレット・ストロングさんが死去した。81歳だった。モータウン・ミュージアムが29日にバレットの他界を公表。詳しい状況はまだ明かされていないが、2008年に亡くなった作曲パートナーのノーマン・ホィットフィールドとの仕事を称賛している。
バレットに大ブレイクの機会を与えたレコード会社、モータウン創業者のベリー・ゴーディはこう語っている。「バレットは偉大なシンガーでありピアノ奏者であっただけでなく、作曲パートナーのノーマン・ホィットフィールドと共に信じられないほどの作品を作り上げた」
バレットはミシシッピ州ウエストポイントで生まれ、その後、ダイアナ・ロスやスモーキー・ロビンソンなど多くのアーティストを世に送り出したレーベルの本拠地であるデトロイトに移住。音楽家として自立した後、姉妹でゴスペル・グループを立ち上げ、その後自身のキャリアを形作ることになる人々と出会った。
マーヴィン・ゲイの『悲しいうわさ』やテンプテーションズの多くのヒット曲のバックカタログをすでに誇っていたバレットは2013年、レイ・チャールズのヒット曲『ホワッド・アイ・セイ』の著作権を巡り法的争いに乗り出した後、自分の曲は「長く生き残る」としてこう明かしていた。
「歌は人よりも長生きする。モータウンが成功した本当の理由は出版にあった。レコードは、曲を世に送り出すための手段に過ぎなかった。出版があればそれにしがみつけばいい。それが大事なんだ。もしそれを手放したら、自分の人生や遺産を手放すことになる。自分が死んでも、その曲はまだ演奏され続けるのだから」
70年代にモータウンを離れたバレットは2004年、「モータウンの形成期における極めて重要な人物」としてソングライターの殿堂入りを果たしていた。