【漫画】「あの家に帰りたいと思ったことなんてない」女子高生が毒親に仕掛けた、究極の復讐とは?

橋本 未来 橋本 未来

 読者から「まさか、そんな方法があるなんて」「心を掴まれた」と賞賛され、これまでにない毒親モノの作品として注目を集めたのが、漫画家の河野大樹さん(@tanakatamaka840)が描いた『美術系の高校に通う女の子が、喋る花と出会って毒親に復讐する話』だ。

 「あの家に帰りたいと思ったことなんてない」という主人公の女子高生は、毒親との日々に疲弊する中、道端に咲く植物から話しかけられたことで状況が一変。「このままじゃ終われない」と誓い、思わぬ方法で毒親への復讐を企てる……。

 復讐をテーマにしながら感動作として話題となったこの異色作について、創作のきっかけや読みどころについて話を聞いた。また、この記事では本作を全編紹介する。

読む人の五感に訴えられる作品に

 この作品を描いた河野さんは、SNSやWeb業界では一目を置かれる存在として知られている。2020年の「Kindleインディーズマンガ大賞」(Amazon主催)では、“美人を食いまくることで、死んでしまったブスの主人公が生き返る”という奇想天外なストーリーで大賞を受賞した

 ファンタジー要素が強いその作品とは違い、“毒親”という切実なテーマを扱った本作はどのようなきっかけから誕生したのだろうか。河野さんは、「これまで、『自分を入れて描く』ということができていないと感じたので、自分の原体験に脚色をしてこの作品を描きました。正直、読みどころというのはわからず、5年ほど封印していました。その後、Twitterに載せてみたところ、自分が思っていたよりも多くの人の心に届いたのを見て、僕自身もこの話の面白さを受け入れられるようになりました」と話す。

 激しいテーマでありながら、各所に鮮やかさを感じられるのが特徴のひとつ。その部分について、河野さんは「五感で感じられること」を意識しているという。「風、光、水、あとは橋の上で自転車に乗っている時に感じる勢いを、読んでる人が五感で感じられるように描けた気がしていて、お気に入りです」

 「僕は幼少期に自分はなんて恵まれていないんだと思っていたのですが、そういう逆境こそ恵まれていたのかなと、今この仕事をするようになって感じています。僕と同じように自分の望んでいない環境にいる人の可能性や、才能という目に見えず保障のないものを後押しできるような、そういう前向きなメッセージを込められるようなラストになるように意識しました。今後も、人の才能や孤独を応援できるようなものを描きたいです。人が何を感じながら生きているかに興味があります」。暗い話題が続く時代において、河野さんの作品を必要とする人はますます増えていくだろう。

<河野大樹さんInformation>
 
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