20歳になったグレタさん 独炭鉱開発反対の6000人デモに参加「炭素が地中にある限り戦いは終わらない」

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 スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんは14日、ドイツ・リュッツェラート村近郊の炭鉱拡張に反対する約6000人のデモ行進に加わった。炭鉱拡張のため、この村は消滅することが決まっているが、反対する人たちが2年前から占拠を続けていた。裁判所が計画を認める判断を示したため、警察が強制排除に乗り出した。

 1月3日に20歳となったグレタさんは、マイクを持ち「炭素はまだ地中にある。私たちはまだここにいる。リュッツェラートはまだここにある。炭素が地中にある限り、この戦いは終わらない」と声を上げた。

 さらに「みなさんがここにいることは、希望のしるしだ。これは、より大きな世界的な気候変動運動の一部に過ぎない。気候変動と社会正義、そして人種的正義のための運動だ。リュッツェラート村で起きていることは、この村の問題にとどまらない。世界最大の汚染国の1つであるドイツには、大きな責任がある」

 14日に占拠を続けていた活動家は数人を残すのみだったが、数千人が炭鉱拡張に抗議する行進に参加。活動家らはこの炭鉱を、ドイツの環境政策失敗の象徴ととらえている。

 「変化というものが、権力者、政府や企業の人々、いわゆるリーダーという人たちからは生まれてこないことを今日はっきりと示している。いや、真のリーダーたちはここにいる。木の上の小屋で抵抗する人たちや、リュッツェラート村を何年も守っている人たちがそうだ」

 エネルギー大手RWEと独政府は、同社が石炭依存から早期に脱却することや、当初から消滅が決まっていた他の村の救済を条件に、リュッツェラート村の消滅で合意していた。地元州の首相は、エネルギー行政はきれいごとだけではないと指摘。ロシアのウクライナ侵攻の影響などもあり、ドイツを取り巻くエネルギー危機を考えれば、石炭の重要性は以前よりも増していると述べた。

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