どうなるM-1グランプリ2022!芸人からも一目おかれる”プロ視聴者”が解説

ゆきほ ゆきほ

年末の風物詩となった、日本一おもしろい漫才を決める『M-1グランプリ』。エントリー数は過去最多となる7261組。頂点はどの漫才師が獲るのか、日本中のお笑いファンが楽しみに、また固唾を飲み見守っている。今回は、自身でも数多くのお笑いライブを主催・出演し、昭和の芸人から令和の地下芸人、素人の大喜利までチェックするお笑いマニア、俺スナ氏に今年のM-1について聞いてみた。

――今年のM-1の、例年とは違う見どころは?

俺スナ:今年はストーリー性や展開が魅力的な、予測不可能なネタをするコンビが勝ち上がっているのでは。元気がある、パワー系のコンビが少ないですね。

――決勝進出者が全体的に若返っている、歴代の大会よりテレビの露出が少ない若手芸人が多いように見えます。

俺スナ:実際若返ってはいますが、今まで準々決勝あたりで苦渋を舐めてきた人たちが上がってきた印象です。審査基準が変わったのかもしれませんね。同じテンポでボケをかぶせるようなコンビは、今年は負けています。もも、カミナリ、トムブラウンとか。おもしろかったんですが…今年は”新しい漫才”をする芸人を大会は求めているのではないでしょうか。

――お笑いブームと言われていますが、何か影響は感じますか?

俺スナ:お笑いファンが涎を垂らして喜ぶコンビばかりが勝ち残っていますね。でも、準々決勝はお笑いファンが見に行くので奇抜な設定のネタがウケる。決勝は分かりやすくて明るいネタがウケる。お茶の間と審査員の”おもしろい”の基準は大体一致しているので、お笑いを見慣れていない、初めて見る人でもおもしろい!と思う芸人が優勝するのは変わらないのではないでしょうか。

――テレビではあまり見ないコンビもいますよね。

俺スナ:ダイヤモンドさんとか。ネタを書いている方の野澤輸出さんは松本人志さんのことが大好きなんですよ。かなり影響を受けているように見えます。芸歴13年で、とうとう松本人志さんの前で漫才ができるんですよ。感慨深いです。

――2年連続出場は、ロングコートダディと真空ジェシカの2組だけです。

俺スナ:2組とも魅力的な言葉を出してきますよね。去年のロングコートダディなら”肉うどん”とか、真空ジェシカなら”2進法”とか。両組とも大喜利がうまい。真空ジェシカはスタジオでスベったことがバズってますが、新しすぎるだけなんです。野生爆弾のくぅちゃんと似てますよ。

――ズバリ、どのコンビが優勝すると思いますか?

俺スナ:男性ブランコだと読んでます。二人とも淡々と喋るし声質も気持ちいいんですが、ボケが突き抜けている。バランス感が絶妙なんです。でもキュウが優勝すると大会がおもしろくなりそう。M-1用の、ツカミが早くてボケ数が多い”競技用漫才”では無いんですよね。普段のネタのまま決勝に来てるので、自分たちのおもしろいと思ったことを貫いて優勝してほしいです。

――今までM-1を見たこと無い人、お笑い番組をあまり見ない人に向けて、視聴者の心得はありますか?

俺スナ:知らない芸人だから見ない、というのは勿体ない!これからの漫才のトレンドが決まる大会なので、まだ露出の少ない芸人だからこそ、今のうちに見るんです。今年は特に誰が優勝するのか全く分からない、本命不在、誰が優勝しても違和感、というメンツなので、非常に楽しみです。

――ちなみに、決勝戦は誰かと一緒に見るんですか?

俺スナ:絶対喧嘩になるので、一人で酒飲みながら見ます。

◇    ◇  ◇

M-1グランプリ決勝戦の放送は、12月18日(日)18時34分からテレビ朝日系列にて。年末の忙しなさと焦燥感を、お笑いで打ち消して新年を迎えるのはいかがだろうか。家族や友人と笑いながら、一人で集中して、SNSを見ながら、是非ご覧いただきたい。

 M-1グランプリ HP:https://www.m-1gp.com/

俺スナtwitter:https://twitter.com/My_Sniper

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