可愛らしいポップな絵柄と裏腹に、ダーティーあり、下ネタあり、トンチありの幅広いオチで、Twitterフォロワーから人気を集めているのが、漫画家の雪のヤドカリさん(@yukinohotel)。これまでに250本もの作品を投稿する中で、特に反響が大きかったのが『かくれんぼ』という作品。
突然、浮気相手の彼氏が帰宅し、慌ててクローゼットに押し込まれた男性。暗闇のなかで、じっと外の様子をうかがっていると、信じられないようなセリフが浮気相手の口から発せられる……。読者からは「ホラーやん……」「究極のハニートラップですね」と、恐怖するコメントが寄せられた。
今回は、こうした展開の妙が各所に散りばめられた作品を数多く手掛ける、雪のヤドカリさんにその創作秘話について話を聞いた。
◆4コマの中に“エグみ”を含ませる
『チェンソーマン』や『ファイヤパンチ』などで知られる、藤本タツキ氏の作品『ルックバック』に影響され、漫画を描き始めたという雪のヤドカリさん。ストーリーの面白さと同じく際立っているのが、その絵柄。素朴で可愛らしさを感じさせる絵柄が良いフリとなり、4コマ目の展開にさらにインパクトが加わる印象だ。この絵に関して、「(絵については)一番は自分にとっての描きやすさです!それからできるだけ親しみやすい絵柄や色使いになるように気をつけています。また、絵にはオチに至るまでのヒントを紛れ込ませ、読む人の目が向くように気をつけて描いています」と、雪のヤドカリさん。
もう一つの特徴として、今回冒頭で取り上げた『クローゼット』のほか、考えオチやトンチがきいた作品が多数手掛けられている理由については、「大学時代、落研に所属していたのでそのあたりの影響もあるのかなぁと思います」と、それほど作者本人は意識していないそうだ。
では、創作においてはどのような部分を意識しているのだろうか。雪のヤドカリさんは言う。「(筆者の質問の「“下ネタ系”は得意技ですか?」という質問を受け)下ネタ自体はあまり得意ではないのですが、エグみのある展開は好きなので、その中の要素として使うことはあります。方向性としては清純派4コマをめざしております!本当です!」と言い切る。
これからの創作活動については、シリーズ化できるような4コマ作品と共に、その枠を越えた短編作品にも挑戦したいという。さまざまなツボを押さえる作者が、次の展開としてどのような方法であっと言わせてくれるのか、楽しみでならない。
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