藤子不二雄Ⓐさん「お別れの会」 「ろくでなしBLUES」森田まさのり氏「人生の節目にⒶ先生が」

山本 鋼平 山本 鋼平
藤子不二雄Ⓐさんの「お別れの会」に出席した森田まさのり氏=都内
藤子不二雄Ⓐさんの「お別れの会」に出席した森田まさのり氏=都内

 「忍者ハットリくん」「魔太郎がくる!!」「怪物くん」などで知られ、今年4月に88歳で死去した漫画家・藤子不二雄Ⓐ(本名:安孫子素雄=あびこ・もとお)さんの「お別れの会」が31日、東京・港区のオークラ東京で行われ、関係者が出席した。漫画家の森田まさのり氏は「まんが道」の影響を受けた作家人生、自身の代表作の一つ「べしゃり暮らし」との関係を語り、故人を悼んだ。

 「ろくでなしBLUES」「ROOKIES」などで有名な森田氏は「僕は『まんが道』を読んで漫画家を志したんです。藤子先生の通りにやってきました。小学生の時に友だちと合作したり、中学で原稿を持って出版社まわりしたり。当時は先生の仕事場スタジオゼロ、つのだじろう先生のところ、虫プロにも行って原稿を見てもらいました。先生の通りに道をなぞって漫画家の道が開けてきました。おかげでこうして漫画家になれました。先生には感謝しかないです」と語った。

 10年ほど前に会食の機会があった。小学生、中学生時の思い出を話し「優しくニコニコと聞いてくれました」と振り返り、その後は一緒に飲み歩き「人生で初めて帰りに、立ちゲロを吐きました。どれだけ飲んだか分からない位でしたが、本当にうれしいひとときでした」と語った。

 漫才師を描いた「べしゃり暮らし」誕生にも藤子不二雄Ⓐさんが関わっていた。藤子Ⓐさんが麻雀をしていた際、同席者が息子からの電話に「今、ドラえもんと麻雀をやっているぞ」と話し、子どもが喜んだ、という逸話を知った。「ドラえもん」はコンビを組んでいた藤子・F・不二雄さんの代表作。その際に「あれっ、Ⓐ先生は『ドラえもん』を描いていないぞ。その時、横で聞いていたⒶ先生はどう思ったんだろう」と考え「そういう相方に対する思いに興味を持ち、漫才師の相方同士の感情につながるかな、と考えたのが、作品が生まれたきっかけの一つです。人生の節目にⒶ先生が関係してきますね」と明かした。

 この日は「きょうは特別です。漫画家っぽく」とベレー帽をかぶり「お別れの会」に出席した森田氏。「ベレー帽をかぶるのはF先生なんですけどね」とオチをつけていた。

「お別れの会」にはちばてつや、永井豪、つのだじろう、高橋留美子、荒木飛呂彦、王貞治、武田鉄矢、伊東四朗ら199人が参加。同日午後6時から8時までは一般読者の来場も受け付けられ、この日合計で1125人が訪れた。トキワ荘の部屋、「笑ゥせぇるすまん」に登場する喪黒福造とBAR魔の巣の再現セットなどの企画展示も同所で行われた。

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